2016 Fiscal Year Research-status Report
骨粗鬆症治療薬であるビタミンD誘導体(ED-71)を用いた口腔癌治療の開発研究
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16K11723
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新谷 智章 広島大学, 病院(歯), 助教 (90403518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 哲治 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 教授 (00169153)
林堂 安貴 広島大学, 病院(歯), 講師 (70243251)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口腔癌治療 / ビタミンD |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、ビタミンD誘導体(ED-71)がHBp17/FGFBP-1の発現を制御することで、in vitro及びin vivoにおいて扁平上皮癌の増殖を抑制することを報告してきた。さらに、ED-71およびエタノールを添加した口腔扁平上皮癌細胞よりそれぞれRNAを抽出し、DNAマイクロアレイによる網羅的スクリーニングを行った結果、ED-71添加群でmiR-3115の発現が上昇していることが明らかになった。これまでに、口腔扁平上皮癌細胞におけるmiR-3115に関する報告はない。本研究では、miR-3115が口腔扁平上皮癌細胞に対する増殖を抑制するための標的となるか検討した。 当科で樹立した口腔扁平上皮癌細胞株であるHO-1-N-1(NA)を用い、無血清培養系下で以下の実験を行った。リポフェクション法にて、miR-3115を細胞に導入して細胞増殖能を検討した。miR-3115を過剰発現させた細胞はコントロールと比較して有意な増殖抑制効果を認めた(P<0.05)。miR-3115高発現細胞よりRNAを抽出し、定量RT-PCR法によりHBp17/FGFBP-1遺伝子の発現量について検討したところ、miR-3115高発現細胞ではコントロール群と比較して有意なHBp17/FGFBP-1の発現の低下を認めた(P<0.05)。 miR-3115導入により、HBp17/FGFBP-1発現が抑制され、口腔扁平上皮癌細胞増殖が抑制されることが明らかとなった。さらに、HBp17/FGFBP-1はmiR-3115の標的遺伝子である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当科で樹立した口腔扁平上皮癌細胞株であるHO-1-N-1(NA)を用い、無血清培養系下で以下の実験を行った。リポフェクション法にて、miR-3115を細胞に導入して細胞増殖能を検討した。miR-3115を過剰発現させた細胞はコントロールと比較して有意な増殖抑制効果を認めた(P<0.05)。miR-3115高発現細胞よりRNAを抽出し、定量RT-PCR法によりHBp17/FGFBP-1遺伝子の発現量について検討したところ、miR-3115高発現細胞ではコントロール群と比較して有意なHBp17/FGFBP-1の発現の低下を認めた(P<0.05)。 遺伝子導入が困難であり、時間を費やしたため、研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで、Micro RNAno発現とHBp17/FGFBPの発現を調べることことによりmiR-3115のターゲット遺伝子がHBp17/FGFBP-1であるかどうかが推察できる。初めに、miR-3115のmimicを口腔癌細胞に振りかけてHBp17/FGFBP-1であるかどうかが推察できる。初めに、miR-3115のmimicを口腔癌細胞に振りかけてHBp17/FGFBP-1遺伝子発現を検討する。その後、細胞や培養上清にHBp17/FGFBP-1タンパク発現について比較検討を行う。
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Causes of Carryover |
ゲノム編集を行うための、ベクター購入が2017年度になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ゲノム編集を行う、ベクター及び遺伝子導入試薬を購入予定
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Research Products
(1 results)