2018 Fiscal Year Annual Research Report
Intrinsic cell property that contributes to tumor cell dormancy in bone marrow
Project/Area Number |
16K11726
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
神力 悟 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (00583048)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 休眠骨髄播種癌細胞 / 転移・再発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、休眠・潜伏している骨髄播種癌細胞(bone marrow-disseminated tumor cells: BM-DTC)の癌進展に果たす役割と、その分子基盤を明らかにすることを目的とする。 これまでに確立してきた条件にて、マウス骨髄で休眠を呈するヒト頭頚部扁平上皮癌細胞株をDNAバーコードライブラリーで標識した後に、マウスに移植した。一定期間経過後に、移植部位や骨髄、肺、末梢血からゲノムDNAを採取し、クローナリティを明らかにするために、次世代シーケンサーによって各部位におけるバーコード配列を網羅的に解読した。その結果、骨髄や肺、循環腫瘍細胞(CTC)では、それぞれ異なる優位な細胞クローン群が存在することが明らかとなった。特に、骨髄で最も優勢であったクローンは、原発巣やCTC、肺では稀少であった。この結果は、特定の細胞集団が優先的に骨髄に播種して休眠している可能性を示している。そのようなクローンの特性や起源を明らかにするために、バーコード標識シングルクローンを複数樹立した。それらを等量で混合してマウスに移植し、上記同様にクローナリティ解析を実施した結果、休眠BM-DTCの多くを占めるクローンを一つ(クローンX)同定することができた。現在は、クローンXの骨髄での潜伏を支える分子メカニズムの解析に取り組んでいる。現時点で、過去に報告されている骨髄播種に関連する分子が、親株や他のクローンに比べ、クローンXでは高発現していることを確認している。また並行して、クローンXにCRISPR/Cas9遺伝的スクリーニングを適応することで、BM-DTCの休眠や停留に必須の遺伝子を同定することを試みている。
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