2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Precision Medicine by recovery of CTCs from circulating blood in oral cancer
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16K11728
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山下 麻由美 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (80325802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 剛 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (40322292)
高田 耕児 富山県産業技術研究開発センター, その他部局等, 主任研究員 (40530621)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 循環癌細胞 / 口腔癌 / 個別化治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
個別化医療は近年の癌治療における緊急の課題である。また、口腔癌を含む固形癌では、リンパ節転移や遠隔転移が予後を左右する重要な因子である。原発巣の細胞が血管に侵入した結果のCTCは転移のもととされる。従って、血液サンプルからのCTC回収は癌の診断のみでなく、個別化医療を目的としたCTCの遺伝子の特徴の解析にも重要である。我々は、血液サンプルからのCTCの新しい回収法を確立した。 GFP導入ヒト腺様のう胞癌細胞由来であるACCS―MGFP株を用いた。使用したCTC回収装置は従来の様に抗体を使用することなく、細胞のサイズにより分離するため細胞へのダメージが少なく、簡便で安価であるマイクロ流体チップ(SSチップ)を使用した。 まずは健康なヒトの血液1.5mlに1.5×104のACC―M GFP細胞を混合しバッファーとともにSSチップに還流させ、回収した液体を蛍光顕微鏡を使用し観察し緑色に発色した細胞をカウントし回収率を確認した。 次に、8週齢マウスに局麻下に200μlのACC―M GFP細胞が混入した溶液をマウスの腹腔内または尾静脈より注入し腹腔内注射群は24時間または48時間後、尾静脈群は30分後に屠殺し、心臓から血液を採取した。採取した血液は希釈後にSSチップに還流させ、回収溶液を蛍光顕微鏡下に観察し、細胞数をカウントした。 回収した溶液には多くの細胞が含まれ回収率は95%以上であった。一方マウスの血液からは少量のCTCが回収された。回収した細胞は数日間の生存が確認できたが、培養による成長は観察されなかった。 我々のマイクロ流体チップは、高価な装置は必要なく、細胞に致命的障害を与えず、EMTを引き起こした細胞も回収可能である。血液中の癌細胞は極めて少量であり、高い回収率が重要である。今回使用したチップは、回収率が90%以上であり、CTC研究の上で重要な役割を果たすと思われる。
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Research Products
(3 results)