2017 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌におけるがん幹細胞の特性を利用した新規治療戦略の基礎的研究
Project/Area Number |
16K11733
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 正人 東京医科大学, 医学部, 臨床講師 (40349460)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 通秀 東京医科大学, 医学部, 助教 (00421066)
古賀 陽子 東京医科大学, 医学部, 講師 (10392408)
里見 貴史 東京医科大学, 医学部, 臨床准教授 (70276921)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 口腔扁平上皮癌 / がん幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
下記3つの項目について研究を継続している。平成28年度とほぼ同じ内容のものである。 1.腫瘍組織内からがん幹細胞を単離。切除された口腔扁平上皮癌の実質組織より抽出された細胞をコラゲナーゼ処理し培養しているが、安定した継代培養には至っておらず、十分な量のALDH+/CD44+陽性細胞を確保出来ていない状況である。対象となるがん組織の状態にも影響される為、今後も症例を吟味し検討を続ける予定である。 2.がん幹細胞に対し薬剤感受性の検討。がん幹細胞の抗癌剤抵抗性を評価する項目であるが、96 wellプレート上に細胞数を一定に調整し抗癌剤を加えインキュベートする。その後、細胞数を測定しその抵抗性を確認する。現在、単離される細胞が不十分な為、まだ薬剤感受性試験まで進行していない。また、追加の検証として、前回の科研費で行われた研究テーマである抗癌剤代謝酵素の発現も検証し間接的な薬剤抵抗性も検討したい。 3.がん幹細胞マーカーの腫瘍組織内の発現の検討。腫瘍組織内のがん幹細胞マーカーの発現では免疫組織化学的染色法を用いて各マ ーカーの発現様式を検討している。4種類のマーカーの発現を調べる為、順次施行している状況である。症例により発現に差があり、 一症例中の組織内においても腫瘍の実質中で差がありその発現様式からがん幹細胞を組織切片上で特定している。主に腫瘍先進部を対象に評価し、同時に病理組織学的悪性度との関連性も検討している。マーカーの発現が強い所は次に実験するレーザーダイセクションの標的になる部位である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
腫瘍組織内からのがん幹細胞の単離において、計画通りに再現性のある培養が可能でない為、現状においても薬剤感受性の検討まで至っていない。また、検体の口腔扁平上皮癌組織に対して一部の幹細胞マーカーの発現にむらがあり、抗体の希釈倍率や前処理の調整中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度同様、腫瘍切除組織に個体差がある為引き続き症例数を増やし安定した継代培養ができる様継続していく。腫瘍組織の検体によりがん幹細胞マーカーが特定されているものは、レーザーマイクロダイセクションにて分子レベルで解析を進めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
前項の理由により、研究の進行が遅延しており、試薬等購入時期の変更を余儀なくされた。また、関連論文の作成中であり今後投稿の予定である。
|