2019 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the mechanism of opioid tolerance formation by visualization real-time analysis and development of new analgesic methods
Project/Area Number |
16K11754
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
倉田 眞治 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (20325666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上園 保仁 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (20213340)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 歯科麻酔学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で,われわれは周術期における最適な術中・術後の新規鎮痛法の開発のため,各種オピオイド製剤ならびに各種麻酔薬・鎮痛薬が,オピオイド受容体(OR)の活性(細胞内局在や細胞内シグナル伝達)に与える影響について,培養細胞を用い様々な条件下で解析・検討を行った。その結果, 1.オピオイド製剤であるフェンタニル・レミフェンタニルが,BHK細胞に発現させた蛍光タンパクVenus結合μORの細胞内局在に与える影響を解析するとともに,Halo-Tag pH Sensor Ligand結合オピオイド受容体を用いたReal-time Visualizing Assay法による解析の結果,両薬剤ともに同様の細胞内局在(internalization)を示した。 2.ORのGタンパク質活性を,Gタンパク質依存性シグナル伝達経路に関するインピーダンス変化として捉えた解析方法CellKey(TM)システムにより検討した結果,フェンタニル・レミフェンタニルは主にμオピオイド受容体を活性化すること,δオピオイド受容体ではフェンタニルに比べレミフェンタニルでよ り活性が高いことが示された。 3.レミフェンタニルによる急性耐性形成や痛覚過敏の抑制に有用であると考えられているケタミンの併用が与える影響について,蛍光タンパク結合Venus-μORおよびReal-time Visualizing Assay法による細胞内局在の解析とCellKey(TM)システムによる解析を行った結果,レミフェンタニルとケタミン併用はGタンパク質活性に影響を与えなかったが,μオピオイド受容体の細胞内局在internalizationは抑制され,recyclingが促進される傾向が認められた。これは急性耐性形成や周術期痛覚過敏の発症を,抑制する可能性を示唆するものである。
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