2016 Fiscal Year Research-status Report
ジンクフィンガータンパクによる骨代謝制御機構の解明と骨再生医療への応用
Project/Area Number |
16K11761
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
森 良之 自治医科大学, 医学部, 教授 (70251296)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20359623)
野口 忠秀 自治医科大学, 医学部, 准教授 (30275705)
土屋 欣之 自治医科大学, 医学部, 助教 (00343442)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 再生医学 / 骨再生 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、口腔外科臨床における患者の負担軽減ならびに移植成績向上を目指して、再生医学分野での研究が盛んに行われているが、われわれは近未来での臨床応用可能性を重視するという立場から、再生医療における最も有力な細胞源である間葉系細胞に着目し、独自のアプローチで間葉系細胞分化多能性維持に重要かつ臨床応用にあたって安全な因子を同定するための研究を推進してきた。本研究は、こうした独自の研究成果の発展系として、ジンクフィンガープロテインファミリーに属する転写因子の骨軟骨代謝における機能を解析し、併せてその再生医学への応用可能性を探ることを目的に計画された。まず、本研究グループが過去に実施したマイクロアレイ解析の結果と既存のデータベースとを比較検討して、骨軟骨代謝において重要な機能を果たしている可能性が高いと想定されたジンクフィンガープロテインファミリー転写因子を解析候補分子として選択した。次に、マウス骨芽細胞株MC3T3-E1、マウスマクロファージ細胞株RAW264.7、マウス軟骨前駆細胞株ATDC5、マウス間葉系細胞株C3H10T1/2、のそれぞれの細胞を分化誘導する系を利用して、細胞分化に伴う解析候補分子の発現レベルの経時的変動を解析した。その結果、骨芽細胞、破骨細胞、軟骨細胞、間葉系幹細胞の複数の細胞分化プロセスで非常に特徴的な発現変動パターンを示すジンクフィンガープロテインファミリー転写因子(Zfp235、Zfp191など)を同定することに成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨芽細胞、破骨細胞、軟骨細胞、間葉系幹細胞の分化に関与すると想定される複数のジンクフィンガープロテインファミリー転写因子の同定に成功したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の実験に関しては当初予想された因子以外にも、その骨軟骨代謝への関与が期待される複数の分子を同定出来ており、おおむね順調に進んだが、今後も同様に当初計画を完遂すべく研究を継続する予定である。
|
Causes of Carryover |
本研究は、われわれが既に確立している実験系を利用して研究を遂行したため、試行錯誤が少なく比較的スムーズに実験を進めることが出来た。そのため、試薬や消耗品費を当初予想よりも低く抑えることが出来て次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に試薬・消耗品費に充当し、さらなる研究の発展に努める。
|