2017 Fiscal Year Research-status Report
微小環境構築による乳歯歯髄幹細胞(SHED)の動態制御と口蓋裂骨再生治療への応用
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16K11788
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷本 幸太郎 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 教授 (20322240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 勝 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 教授 (70187681)
加藤 功一 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 教授 (50283875)
國松 亮 広島大学, 病院(歯), 講師 (40580915)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 乳歯歯髄幹細胞由来間葉系幹細胞 / 骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の全体構想は、再生医療における細胞の供給源として、高い増殖能および多分化能を有し、歯科治療において比較的容易に入手可能な乳歯歯髄幹細胞由来間葉系幹細胞(SHED)の有効性を明らかにし、口腔および顎顔面領域の骨再生医療に応用することを目指した検討を行うことである。 平成28年度では、骨再生に関連したSHEDの特性を検討することを目的として、骨髄由来間葉系幹細胞(BMSCs)や歯髄由来間葉系幹細胞(DPSCs)との比較検討を行った結果、これらと同等の骨分化能を有していることが明らかとなった。 さらに、平成29年度では、再生初期の担体の吸収と、これに続く新生骨の形成を評価することにより、再生組織の微小環境の変化を明らかにするため、ラットを用いた骨再生実験を行った。NOD-SCIDマウス骨欠損部へのSHED/p-CAP担体移植による骨再生を検討した結果、μCTによる評価ではSHED移植群において対照群と比較して有意な骨再生が認められ、BMSCs群、DPSCs群に比較してより高い骨再生が見られる傾向が認められたものの、有意差は認められなかった。また、HE染色の結果においてもSHED群では骨細胞の封入を伴う成熟した層板骨が髄膜に沿って認められた。一方、MT染色では髄膜側に沿ってコラーゲン線維の分布が認められ、骨組織の形成が明らかとなった。コラーゲン線維および類骨の面積率では、SHED群、BMSCs群、DPSCs群、対照群の順に大きい値を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通りに、今年度の研究計画に沿った免疫不全ラット動物実験を実施した。その結果、SHED移植群において、対照群に比較して有意に高い骨再生が認められたことにより、SHEDの高い骨誘導能が実証された。間葉系幹細胞の蛍光標識について予備実験を行い、経時的検討を行う準備を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度では、これまでに得られたデータを元に、動物実験による検討を継続して行う。蛍光標識した間葉系幹細胞の血管への投与後の、移植部への集積動態を検証するとともに、CAP担体の吸収とこれに続く骨再生との関連性を明らかにする。再生骨への歯の移動を想定した実験により、歯の移動に伴う再生骨の組織変化について検討を行う。
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Causes of Carryover |
(理由) これまで得られた結果に基づいて、さらなる動物実験を中心とした予備的な検討を行ったことが、次年度使用額97030円が生じた理由である。 (使用計画) 次年度における試薬、実験動物、器具の購入
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] アメロゲニン由来新規ペプチドと骨髄由来間葉系幹細胞を用いた骨再生療法への展開2017
Author(s)
粟田哲也, 国松亮, 吉見友希, 廣瀬尚人, 安藤和代, 麻川由起, 柄優至, 平田伊佐雄, 加藤功一, 丹根一夫, 谷本幸太郎
Organizer
第41回日本口蓋裂学会総会・学術集会
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