2018 Fiscal Year Annual Research Report
Wntシグナルを介した重度歯根吸収発生機構の解明と進行抑制への基礎的検討
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16K11795
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山口 大 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (60333100)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歯根吸収 / 歯根膜 / Wntシグナル / 歯の移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、歯根膜線維芽細胞と破歯前駆細胞におけるシグナル伝達、特にWntシグナルに焦点を当て、矯正治療による歯根吸収発生メカニズムを解明するとともに、その抑制方法を検討することである。具体的には、ラットの実験的歯の移動において人為的に歯根吸収を惹起させ、歯根吸収部の歯根膜線維芽細胞と破歯前駆細胞におけるWnt5a発現、およびRANK/RANKL発現について検討した。In vitroでは歯根膜細胞圧迫モデルにて過大な荷重を加え、Wnt5aとRANKLの発現を検討した。 In vivoにおいて1週目ではHF群で歯根吸収が認められた。さらに、歯根吸収部でWnt5a,、RANKL、 IL-6、 IL-17の陽性細胞の増加が認められた。 さらに、カスパーゼ3および8陽性細胞は, 3日目および5日目に50 g群のセメント質表層で増加した。TRAP, RANKL陽性細胞数およびカスパーゼ3, 8陽性細胞率は, 10 g群と比較し50 g群で有意な増加が認められた。In vitroではヒト歯根膜線維芽細胞に4.0g/cm2と1.0g/cm2の持続的圧迫力を加えた時、Wnt5aの遺伝子発現は12時間でピークに達し、1.0g/cm2の加重を加えた時に比べて、4.0g/cm2の加重を加えた時の方が減少した。RANKL、IL-6の遺伝子発現は12時間でピークに達し、1.0g/cm2の加重を加えた時に比べて、4.0g/cm2の加重を加えた時の方が増大した。 以上のことから、歯根吸収の発現にWntシグナルが関与していることが示唆された。
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Research Products
(4 results)