2017 Fiscal Year Research-status Report
幼少期身体抑制を経験したラットのストレス反応性亢進と大脳辺縁系及び視床下部の関係
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16K11799
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉原 俊博 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (60261319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 昇平 北海道大学, 大学病院, 講師 (00374546)
菊入 崇 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (10322819)
高崎 千尋 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (60451449)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 身体抑制 / 視床下部 / HPA axis / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
幼少期に身体抑制を経験したラットは成長後にストレス反応性が亢進する、ことが知られている。ストレス反応は視床下部-下垂体副 腎皮質系(以下、HPA axis)の亢進を引き起こすが、その上位中枢である視床下部に脳幹から投射する上向性カテコールアミン(以 下CA)ニューロンが一般的なストレス反応に重要である。本研究の目的は、脳幹からの上向性 CAニューロン以外のニューロン、特に大脳辺縁系扁桃体から視床下部に投射するニューロンがストレス反応に関与しており、臨界年齢の存在は扁桃体の成熟が関与しているという仮説を検証することである。 平成29年度は、ラット4実験群(A群:生後1週齢時に1日1回30分の身体抑制を7回(7日)行う群、B群:生後3週齢時に1日1回30分の身体抑制を7回(7日)行う群、C群:生後5週齢時に1日1回30分の身体抑制を7回(7日)行う群、対照群(身体抑制を一切経験 しない群)について、以下の実験を行った。 実験1.「幼少期身体抑制を経験する年齢により、成長後の摂食行動が異なるか?」幼少期に身体抑制ストレスを与えた3か月後に、行動量(明期の睡眠と暗期の摂食行動)をテレメーターシステムにより測定し、幼少期身体抑制ストレスが成長後の行動量にどのように影響しているか、4群間で比較検討した。その結果、A群は他の3群に比較して、明期の睡眠が不安定で、暗期の行動にもばらつきが見られた。 実験2.「幼少期身体抑制を経験する年齢により、成長後の視床下部のCA 代謝回転及び CRH 産生機能が異なるか?」その結果、A群は他の3群に比較して、新規環境ストレスに対するCAが大きく反応した。さらに、室傍核におけるCRHmRNAの発現量も多かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画にもとづいて、順次、順調に実験を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画にもとづいて、順次、順調に実験を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)実験に使用した試薬類などの消耗品の購入価格が当初予定していた価格より安価に購入できたため。
(使用計画) 翌年分の試薬類などの消耗品購入費および論文作成費(外国語論文校閲費と論文投稿費)として、次年度使用額を使用する予定である。
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