2016 Fiscal Year Research-status Report
幼若期ストレスが脳発達期に及ぼす影響へのドパミン神経系の係わり
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16K11803
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
光畑 智恵子 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 准教授 (10335664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香西 克之 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 教授 (10178212)
大原 紫 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (80634469) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ストレス / ドパミン神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
幼若期のストレス応答において、行動変容とdopamine神経系の係わりを明らかにするためまずdopamine receptor発現への変化について検討を行った。 マウスを用いて幼若期ストレスとして出生早期に母子分離を行い、母子分離群をストレス群、非母子分離群を対照群として体重測定ならびに行動量等を経時的に測定した。行動量に関して予備実験を通して、測定時間を決定、並びに、当初性別による差も確認することを予定していたが、メスにおいては行動量において変動が大きく、オスのみを使用して研究を行うこととした。行動量に関しては分離群において高値を示す傾向があった。5か月時に両群マウスより線条体・中脳を摘出し、dopamine receptor D1R, D2Rの発現量についてRT-PCRにて解析した。DIRについてはストレス群で線条体において対照群の約1/2の発現量と減少が確認できたが、中脳について、並びにD2Rについてはばらつきがあった。行動量に関してストレス群でも逆に低下するマウスもいたことから例数を増やしての検討の必要性が明らかとなり、現在繰り返し検討を行っている。行動量に加えて、強制水泳等他のテストを行うことでさらに行動変容を調べる準備を行っている。一方、バソプレッシンenhancer領域のメチル化変化の関連に関してアプローチするために両群間でのメチルトランスフェラーゼの発現量の変化を明らかにするためにRT-PCRにてmRNAの発現量の測定を行い、また、経時的に血中コルチコステロン測定を行う準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ケージの確保が難しく、実験スタートが遅くなったこと、また1回の実験でのマウスの匹数が少ないことから実験がなかなか進んでいない現状となった。年度が代わり少しケージを増やしていただけたことから実験が進むと考えている。また、研究協力者が変更となったことからより研究が進むと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度での実験を踏まえて、早期母子分離を行ったストレス群と対照群を用いて、行動量に加え、オープンフィールド・強制水泳を用いてさらに行動の解析を行い、また、経時的に血中コルチコステロン、脳内コルチコイドや脳内バソプレッシン濃度を測定し、ストレスに対する反応の違いを明らかにしたい。バソプレッシンenhancer領域のメチル化変化の関連に関し、メチルトランスフェラーゼの関与について明らかにするため、発現量や活性測定を行う。加えて、dopamine receptor DIR, D2R ならびにHT2CRの発現についてプラーマー領域の再検討を行うと共に例数を増やして群間での比較を行う。
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Causes of Carryover |
行動変容を明らかにするために行動解析に関するソフトと周辺機器を購入する予定としていたが、他の実験で使用しているものを使用することができたことから、さらに検討したいと考えている行動解析ソフトの購入を検討をしていて年度内での購入に至らなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度、購入に至らなかったソフト等を購入することで、次年度の本来の使用計画で実施可能であると考えている。
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