2016 Fiscal Year Research-status Report
ヒト乳歯幹細胞を基盤とした新規アンチエイジング機構の解明
Project/Area Number |
16K11806
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山座 治義 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (30336151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山座 孝義 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (80304814)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小児歯科学 / 間葉系幹細胞 / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、脱落乳歯由来幹細胞(stem cells from human exfoliated deciduous teeth; SHED)による新規老化制御機構の解明を目的とする。本研究課題は、従来『捨てる』ものであった乳歯由来の幹細胞を老化研究に応用し、実験動物の平均および最大寿命を延長させる唯一の実験的介入法であるカロリー制限と比較検討することによって、老化制御機構の解明を目指す画期的な発想が基盤となっている。また、ヒト乳歯幹細胞による生殖能の延長と卵子の老化抑制の可能性を検索することにより、晩婚化による生殖年齢の高齢化と少子化対策への新たなアプローチに繋げることが予想される。このことから、本研究の成果は国内外に大きなインパクトを与えるとともに、アンチエイジング医薬品開発の基盤となりうることが十分に期待される。 本研究では、永久歯への交換期を迎えた乳歯歯髄よりSHEDを単離して、SHEDをマウスに全身投与することにより、その寿命延長効果を確認する。また、カロリー制限下にあるマウスとSHEDを投与したマウスの各臓器における網羅的な遺伝子解析やシグナルデンタル系を比較・検討することにより、SHEDによる寿命延長効果のメカニズムや哺乳類における寿命制御機構の解明を推進していく。 今年度は動物実験施設のトラブルにより、当初予定していた計画の一部が実行できなかったが、今年度以降に継続するとともに、当初の計画を推進していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
永久歯への交換期を迎えた乳歯歯髄より、間葉系幹細胞を通法により単離した。単離した細胞については、フローサイトメトリーや免疫染色、RT-PCR法、ウエスタンブロッティング法で幹細胞としての特性を確認した。 実験動物は雌雄C57BL/6Jマウスを使用し、カロリー制限と、上記で単離した間葉系幹細胞SHEDをマウスに投与して、対照群とともに実験群を作製した。経時的に体重測定や摂食量の測定を行っていたが、動物施設の感染が発生して、施設全体が感染除去のために一時的に閉鎖となり、実験動物の維持が不可能となった。実験動物については、目的に週令には達していないが、採血や各種臓器を採取して、保存を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
SHEDの単離・培養を継続するとともに、動物施設再開を待って、実験動物の再作製をおこない、実験動物のモニタリングと各種臓器の採取する。採取したサンプルを用いて、マイクロアレイによる遺伝子発現の網羅的解析を行い、寿命制御機構に関連する遺伝子やシグナルデンタル系のスクリーニングを行い、その詳細な解析と寿命制御機構の解明、SHEDによる寿命延長効果の分子機構について解析を推進する。
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Causes of Carryover |
動物実験施設全体の感染が発生したために、当初予定していた実験動物の購入や維持に対する予算が執行できず、またそれに伴うサンプル調製の一部、遅れたことによる実験計画の停滞が起こり、消耗品の購入が執行できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度実行できなかった実験計画を今年度に繰り越すことにより、消耗品の購入や実験動物の購入・維持を今年度予算とともに執行して、研究を推進していく。
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Research Products
(8 results)