2018 Fiscal Year Annual Research Report
Oxidative stress as an onset mechanism for cleft lip and palate and a possible target for the development of preventive methods
Project/Area Number |
16K11807
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
加藤 大樹 九州大学, 歯学研究院, 助教 (30452709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 浩 九州大学, 歯学研究院, 助教 (00421313)
廣藤 雄太 九州大学, 歯学研究院, 助教 (80759746) [Withdrawn]
山座 治義 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (30336151)
増田 啓次 九州大学, 大学病院, 講師 (60392122)
野中 和明 九州大学, 歯学研究院, 教授 (90128067)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口唇裂口蓋裂 / 酸化ストレス / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、昨年度から引き続きSHEDに対する葉酸の抗酸化ストレス作用機序の解析、口唇裂口蓋裂患者からのSHEDの調製および患者由来SHEDに対する葉酸の抗酸化ストレス作用機序の解析を行った。昨年度は、健常児由来SHEDに対して、ピオシアニンで活性酸素種(ROS)を誘導すると、細胞増殖能と遊走能が低下し、これを葉酸が改善することを見いだした。本年度は、SHEDにおける葉酸の抗酸化ストレス作用機序の解析を行った。健常児由来SHEDをピオシアニン存在下で培養すると、ミトコンドリアROSの発生量が増加した。そこに葉酸を添加すると、ミトコンドリアROSの発生量が低下した。この結果より、葉酸がミトコンドリアROSを低下させ、ミトコンドリア機能を改善する可能性が考えられた。そこで、ミトコンドリア機能と密接に関係するミトコンドリア形態、生合成、ATP産生に着目し解析を進めた。まずミトコンドリア形態を調べた結果、ピオシアニン添加によりミトコンドリアは断片化したが、葉酸により断片化は阻害された。次にミトコンドリア生合成に関わる遺伝子であるPGC-1aの発現を調べた結果、ピオシアニン添加によりPGC-1aの発現は低下したが、葉酸はこれを改善した。またATP産生量もピオシアニン添加により低下したが、葉酸はこれを改善した。以上の結果より、葉酸はミトコンドリア機能を改善することで、SHEDの抗酸化ストレス能を上昇させると考えられる。さらに口唇裂口蓋裂患児由来SHEDに対しても葉酸の効果を調べた結果、健常児と同様に葉酸による抗酸化ストレス能の上昇を確認することができた。
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