2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K11813
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
清水 武彦 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (40328761)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 正中過剰歯 / 遺伝要因 / 家族性 / 一塩基多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
上顎正中過剰歯の遺伝要因を解明するために、家族性過剰歯群と健常者群より得たDNAを用いて一塩基多型(SNP)解析を行う。家族性過剰歯群と健常者群の間で遺伝子型比に差のあるSNPを検出し、上顎過剰歯発症に関わる遺伝要因を検索する。 本研究は、日本大学松戸歯学部倫理審査委員会の承認を得て行った(EC16-15-012-1)。本研究の正中過剰歯群は、家族歴を聴取し、家族性に発症した者とした。また、コントロール群は2~3世代にわたりエックス線で過剰歯がないことを確認した者とした。被験者の唾液2mlをDNA self-collection Kitに採取しDNAを抽出した。下記に行う実験に必要なDNA量に増幅するために、家族性正中過剰歯群とコントロール群のDNAサンプルのゲノム増幅とクオリティーチェックを行った。SNPジェノタイピングアレイ(HumamOmniExpress-24 v1.0, Illmina, Inc.)によるジェノタイピングを行い、Illmina Infinium HTS Assay Manual Protocolに従った。得られた蛍光イメージからのSNPコールにはGenome Studio(Illmina, Inc.)を用いた。この結果から、正中過剰歯群とコントロール群の遺伝子型の統計分析を行い、両者間で差のあるSNPを検出した。ジェノタイピングの確認、エラーの確認は、Taqman SNP genotyping Assay Human SM(applied biosystems)を用いた。 家族性正中過剰歯群は親子間に認められたものが3家族、兄弟姉妹間に認められたものが7家族、その両者に認められたものが2家族であった。アレル頻度でP<1×10-5のSNPを示唆的に差があるとし、抽出したところ、19番染色体上に8SNPを、X染色体上に2SNPを、2番染色体上に1SNPを検出し、これらの染色体上に家族性正中過剰歯の責任遺伝子がある可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
家族性に上顎正中過剰歯を有する家族を12家族、またコントロール群は2~3世代にわたりエックス線で過剰歯がないことを確認した者24人のサンプルを収集することができた。また、ゲノムワイドのスクリーニングにより、正中過剰歯発症の候補染色体として19番染色体、X染色体、2番染色体を検出できた。
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Strategy for Future Research Activity |
家族性の正中過剰歯発症の候補染色体として19番染色体、X染色体、2番染色体を検出し、これらの染色体上に責任遺伝子が存在する可能性が示唆できたため、これらの染色体領域上のSNPをTaqman SNP genotyping Assayにより詳細に遺伝子型分析し、過剰歯群とコントロール群で統計学的に差のあるSNPを検索していく。
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