2018 Fiscal Year Annual Research Report
Involvement of bone marrow mesenchymal cells in the repair of dentin-pulp complex
Project/Area Number |
16K11817
|
Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
正村 正仁 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (30367536)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大須賀 直人 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (80247535)
川上 敏行 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (80104892)
辻極 秀次 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70335628)
中野 敬介 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (10325095)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 象牙質・歯髄複合体 / 水酸化カルシウム製剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヨードホルム加水酸化カルシウム糊材(以下糊材と略す)を象牙質・歯髄複合体に貼付したラットの観察を行った。病理組織学的検討では,穿孔部には挿入された糊材と考えられる構造物が散見された。しかし,それに対する生活歯髄組織には顕著な壊死はほとんど観察されなかった。これは,この糊材がシリコンオイルによる練和物のため,歯髄組織に直接的なダメージを与えず,水酸化カルシウムの強アルカリ性が緩和されたためと考える。なお,象牙質橋と言える構造物も少数例だが確認された。これは,歯髄に応用した糊材内の水酸化カルシウムの効果だろう。だが,その場合においても,壊死層の形成は認めず極めて興味深い事であった。この場合にも,綺麗な『谷渡しの橋』(象牙質橋)ではなく,谷を埋めたような状態で2次象牙質が厚く形成されていた。これは,象牙質橋を形成する水酸化カルシウムの一般的な様式ではないので,応用した糊材に特徴的な事象で,これがシリコンオイルで練和してあるからだと考えられる。しかし,当該部分の象牙質壁に極めて多量の不規則な象牙質形成がなされ,m_CT画像では象牙質の形成されている根管は不透過像化しており,出来ていない根管の中心部に透過像が確認されるようにみえ,これは根管の狭窄を意味していた事が分かった。なお,一部では閉鎖しているものもあった。これは,糊材の強アルカリ性の作用がシリコンオイルよって緩やかなものになっているからであろうが,その象牙芽細胞の活性化によって多量の象牙質を急速に形成させたと考えられる。形成された硬組織(骨様象牙質)の構造には,明確な細管構造のないものがあり,構造内に細胞と思われる構造が封入されているものがあった。これは,歯髄の未分化間葉系細胞から象牙芽細胞に分化するのであろうが,きちんと分化できずに骨様象牙質を形成するに止まり,不規則な構造で,その内部の所々に細胞が封入された事が分かった。
|
Research Products
(4 results)