2017 Fiscal Year Research-status Report
複数のスキャホールドを用いた新規空間的ドラッグデリバリーシステムの開発
Project/Area Number |
16K11823
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齋藤 恵美子 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (80374528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 彰 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20301913)
高橋 茂 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (70241338)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 水平性骨欠損 / ハニカムコラーゲン / ランダムβTCP / スキャホールド |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周組織再生療法は、臨床的ニーズが高く、様々な研究が行われている分野である。しかし水平性骨欠損のような広い骨欠損は、有効な再生療法がないのが現状である。そこで審美性をはじめ咬合等の機能回復のためにも、このような歯を支える支持骨が失われた広い骨欠損を対象とした歯周組織再生療法の開発は急務であると考えられる。我々は、歯周組織再生に有効であると報告されている成長因子(Fibroblast Growth Factor、Bone Morphogenetic Protein、Enamel Matrix Derivative)をコラーゲン担体に各々配合してそれらを組み合わせて移植を行うことによって、水平性骨欠損部においても歯冠側方向への歯周組織再生量の増大に成功したが、新生骨の幅径(厚み)は従来の歯槽骨よりも薄い傾向が認められた。したがって、本研究では歯根膜、歯槽骨の理想的な幅径を考慮して、歯根膜スペースと歯槽骨スペースそれぞれに適した成長因子とスキャホールドを組み合わせる移植法を考案して、犬の前臼歯部に作成した水平性骨欠損部に移植を行うこととした。今年度は、まず、ビーグル犬の前臼歯部に4mmの水平性骨欠損を作成して、二種類のスキャホールドの組み合わせの効果を確認するため、4つの群(①ハニカムコラーゲン群、②ランダムβTCP群、③ハニカムコラーゲン+ランダムβTCP群、④コントロール(no implant)群)を設定して、移植を行った。現在は、標本を作製しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、申請した時点では、本大学内の動物実験施設を使用する予定であったが、施設側の運営方針の変更によって使用ができなくなり、他施設を使用することとした。そのため、他施設の選択および打ち合わせ等により、実験の開始が遅れてしまった。したがって研究の進行状況は、当初に計画した予定よりもやや遅れているが、実験そのものは順調に進めることができて、現在、標本を作製中であり、本研究課題の申請期間中に結果をまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、考案した新しい治療法の有効性を検討するため、3年間の長期間で動物の口腔内に移植モデルを作製、移植材の埋入試験、標本作成、観察・計測、結果の評価とまとめを行う計画である。研究はやや遅れているものの、おおむね順調に進み、前年度までに動物実験が終了して現在、標本を作製しているところである。本年度は、病理標本の観察および計測を行って、各成長因子とスキャホールドによる再生量を評価して、適切な組み合わせを探求するとともに、申請書が考案した移植法を分担者と協議して、新しい治療法としての検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)本研究は動物の口腔内に移植モデルの作製、移植材の埋入試験、標本作成、観察・計測、結果の評価とまとめを3年間を通して行う計画である。動物の実験施設の変更によって実験開始が遅れた結果、実験計画が全体的に当初よりもやや遅れてしまったことにより、今年度行う予定であった標本作成の研究費が、次年度分へ変更したためである。 (使用計画)次年度は病理標本の作成、観察と計測及び評価とまとめを予定しており、最終的には計画していた実験を全て申請期間内に終了できる見込みである。したがって、病理標本作成の試薬と器材、観察と計測に使用するの材料費、及び評価と記録に使用する機材費が必要となり、各実験段階で予定した必要申請額を使用する予定で、次年度の合計額は本年度の標本作成予定額と当初の次年度申請額の合計額となる。
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