2016 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病関連歯周炎のIL-6動態に着目したマクロファージ・線維芽細胞クロストーク
Project/Area Number |
16K11832
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
成石 浩司 徳島大学, 病院, 講師 (00346446)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 淳一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 准教授 (10195315)
梶浦 由加里 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 特任助教 (40758869)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 糖尿病性歯周炎 / 歯肉線維芽細胞 / マクロファージ / IL-6 / カルプロテクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
カルプロテクチンがTLR4/NF-kB経路を介して歯肉線維芽細胞のIL-6産生を誘導することを明らかにした。このことは,主に好中球が産生するカルプロテクチンが歯肉線維芽細胞を中心としたIL-6ネットワークの基点となる可能性を示唆する。 一方,高グルコース条件で培養した歯肉線維芽細胞はIL-6誘導性のMMP-1産生をさらに促進することを見出した。同じく高グルコース条件で培養したTHP-1マクロファージにおいてsIL-6R産生がさらに誘導されることも示した。また,このsIL-6R産生はTaceによって制御されることも確認した。 以上のことから,糖尿病関連歯周炎の重症化機序におけるマクロファージ-歯肉線維芽細胞クロストークの一端をカルプロテクチンとIL-6のサイトカインネットワークの面から解明することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カルプロテクチンによる歯肉線維芽細胞のIL-6産生機序について執筆した内容が評価され,当該英文誌への掲載が決まった。 高血糖条件において,マクロファージが予想以上の反応性を示すことが明らかになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在まで順調に成果を挙げているので,大学院生ら研究協力者の士気も上がっている。これまでの研究成果を参考(対照)にして,高グルコース条件下で培養した細胞の反応性を調べる。これまでに実施してきた研究の流れに沿って,さらに継続して研究をすすめる。
|
Causes of Carryover |
予想以上に順調に研究成果が得られたため,期間の後半は培養実験よりも,歯周病の病態機序に焦点を絞った英文作成に心血を注ぎ,時間を割いたため使用金額が予定よりも下回った。結果として,英文誌2報が受理された。 一方で,高グルコース状態での培養実験も順調に成果を見出しており,研究班メンバーの中でも研究コンセプトの正当性が十分に理解され,今後の発展に期待が持てる状況にある。本課題は,非常に良い研究テーマであったと考える。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
英文に報告したカルプロテクチンとIL-6の関連性についての研究内容を,さらに発展させる予定である。特に,糖尿病関連歯周炎の重症化機序におけるマクロファージの反応性について,興味ある知見が得られており,今後,この結果を英文誌にまとめるべくさらに努力を重ねていく予定である(主に培養実験)。
|