2016 Fiscal Year Research-status Report
歯髄由来間葉系細胞中Muse細胞の特性解析と歯周組織再生医療応用への展開
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16K11844
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
長野 孝俊 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (10386914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金指 幹元 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 講師 (80339811)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | Muse細胞 / 歯髄 / SSEA-3 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近発見された幹細胞であるMultilineage Differentiating Stress Enduring (Muse)細胞の分離方法に着目し、歯髄細胞から特に表面抗原であるSSEA-3陽性細胞について分離・培養する方法を樹立して標準化を図ることを目的に研究を行った。 ヒト歯髄組織よりMuse細胞を分離する手法を確立するための予備的検討を開始し、Muse細胞は表面抗原マーカーであるCD105とSSEA-3の二重陽性細胞とされているが、CD105は予備的検討の段階において、間葉系細胞の大部分で発現されていることが確認できたため、SSEA-3単独での分離を試み、その結果、一定程度の比率ではあるが表面抗原であるSSEA-3陽性細胞を採取することに複数回成功し、幹細胞のソーティングの標準化と効率化を図ることに成功した。 その後、採取した細胞のクラスター形成能を確認し、クラスター形成された細胞のみをピックアップして続けて培養し、それらの細胞について、三胚葉分化能をRT-PCR法にて検索し、自己複製能を有することを確認した。今回はコントロールとして、ACTBとhGAPDHを使用し、内胚葉マーカーとしてAFP(肝細胞)と原始内胚葉マーカーであるGATA6を、中胚葉マーカーとしてNkx2.5(早期心筋分化のマーカー)とBrachuyury(中胚葉系の組織に分化する際に必須にマーカー)を、外胚葉マーカーとしてMap-2(神経分化マーカー)を選択した。その結果、Nkx2.5のバンドは確認することは出来なかったが、その他のバンドで三胚葉性の遺伝子を確認することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
追加採択の連絡時期が秋頃と数カ月ずれ込んでしまったため、SSEA-3による歯髄細胞のソーティングを行う準備に少し期間を費やしてしまったが、現在では一定程度の比率ではあるが、確実にソーティングできる環境を整備することができた。 今後は、歯髄組織から得られたSSEA-3陽性細胞の特性について解析を行いながら、歯周組織再生医療の応用へとつなげていく道筋を探っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、採取したSSEA-3陽性細胞の特性解析の研究を進展させ、CD105とSSEA-3の二重陽性細胞の特性と相関があるか、または違った特性を有するのかどうかを、比較・検討する予定である。 その後、SSEA-3陽性細胞の細胞増殖能と石灰化能を中心に、効率的な硬組織分化の条件を検討していく。
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Causes of Carryover |
ヒト歯髄から得られたSSEA-3陽性細胞の割合こそ少量ではあったものの、SSEA-3陽性細胞の採取自体は順調に行われたため、当初の見込みよりも抗体やソーティング用試薬および細胞培養試薬などの購入費用が下回ったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は歯髄細胞由来のSSEA-3陽性細胞の特性を解析するため、細胞アッセイキットやPCRプライマーなどを購入し、積極的に実験を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)