2018 Fiscal Year Research-status Report
食道癌患者の周術期口腔管理が予後に与える影響~感染管理と咀嚼機能確保の観点から~
Project/Area Number |
16K11858
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山中 玲子 岡山大学, 大学病院, 助教 (00379760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 彩 岡山大学, 大学病院, 医員 (00612649)
森田 学 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40157904)
曽我 賢彦 岡山大学, 大学病院, 准教授 (70509489)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 食道がん / 化学療法 / 口腔細菌叢 / 次世代シーケンス / 咀嚼能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
食道癌手術は,侵襲が大きく術後合併症の頻度も高いため,チームの介入効果が大きく,歯科の果たす役割も大きい。本研究の全体構想は,食道癌患者において,術前補助化学療法中の口腔感染管理や術後の咬合咀嚼機能の確保が,手術後の予後に与える影響を検討することである。具体的な目的は,食道癌患者において,①術前補助化学療法中の口腔合併症と免疫栄養状態との関連,②術前補助化学療法中の口腔合併症と口腔細菌叢との関連,③咬合咀嚼機能と術後の体重変化の関連,を明らかにすることである。 平成28年度は、免疫栄養状態の指標にprognosis Nutrition Index(PNI:{10×血清アルブミン値(g/dL)}+{0.005×総リンパ球数(mm3)})を用い,PNIと口腔内の状態について検討した。 平成29年度は、②術前補助化学療法中の口腔合併症と口腔細菌叢との関連,③咬合咀嚼機能と術後の体重変化の関連、それぞれの研究について倫理委員会の承認をえた。術前化学療法中の口腔粘膜の細菌叢を構成する全菌体DNAを採取し冷凍保存を始めた。また、退院後の体重と咀嚼能力の測定をはじめた。 平成30年度は、②術前補助化学療法中の口腔合併症について、サンプルを収集し、次世代シーケンスを行った。現在、データ解析中であり、口腔粘膜炎ができた群とできなかった群で細菌叢の違いを評価する。また、③咬合咀嚼機能と術後の体重変化の関連について、術後の体重測定と咀嚼能力の評価を行った。今後、体重変化と咀嚼能力の関連を評する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本課題の目的は、①術前補助化学療法中の口腔合併症と免疫栄養状態との関連,②術前補助化学療法中の口腔合併症と口腔細菌叢との関連,③咬合咀嚼機能と術後の体重変化の関連,を明らかにすることである。 ①は論文作成中である。②はサンプルを収集して次世代シークエンスは終了し、データ分析を行う予定である。③はデータ収集まで終了し、体重変化と咀嚼能力の関連を検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
①術前補助化学療法中の口腔合併症と免疫栄養状態との関連については,粘り強く、論文をブラッシュアップし、英文雑誌に投稿予定である。 ②術前補助化学療法中の口腔合併症と口腔細菌叢との関連については,データ解析予定であり、業者に解析を委託するなど、対応を検討する。 ③咬合咀嚼機能と術後の体重変化の関連については、すでにデータは収集しており、分析については必要に応じて管理栄養士などの他職種に相談するなど対応を検討する。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況が遅れているため、次年度使用額が生じた。次世代シーケンス後のデータ解析を行う予定であったが、前年度末頃、論文投稿のための費用が予定以上にかかることが予測され、不足が生じる可能性があったためデータ解析の業者委託は延期した。 論文投稿のための費用が確定し、次年度使用額の範囲内でデータ解析の費用は賄えると考えられるため、業者委託によりデータ解析を行う予定である。更に残額がでた場合は、論文投稿や消耗品の購入などに使用する予定である。
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