2017 Fiscal Year Research-status Report
Evidence-Practice Gapに関する国際比較研究および教育介入研究
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16K11866
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
角舘 直樹 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (20534449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 葉子 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任助教 (10617244)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Evidence-Practice Gap / Evidence-Based Dentistry / Practice-Based Research |
Outline of Annual Research Achievements |
海外において重視されているエビデンス-診療ギャップ(Evidence-Practice Gap: EPG)の測定と改善であるが、我が国の歯学領域では本格的な取り組みはみられない。そこで本研究では、国際比較可能なEPG測定尺度を開発し、日本のEPGの状況をまず明らかにする。次に、その結果と海外の先行研究の結果を国際比較することで日本の歯科診療における特徴的なEPGを抽出する。さらに研究参加者に対して研究結果の概要をオンラインウェブシステムを用いてフィードバックを行い、その教育効果についても測定する。平成29年度(2年目)の研究実績の概要は以下の通りである。 1)オンラインウェブ調査(本調査) 日本の歯科臨床医を対象としてオンラインウェブ調査を実施した。206名の歯科医師が調査に参加した。平成28年度に開発したEPG測定尺度を用いて「う蝕の診断と治療」、「深在性う蝕の診断と治療」、「修復処置の診断と治療」、「第3大臼歯の抜歯」の4領域における12項目に関してEPGの測定を実施した。その結果、EPG尺度項目全体でのエビデンスとの一致率は、約6割であり、我が国の歯科診療においてEPGが存在している可能性が示唆された。また、米国で実施された先行研究の結果を用いて国際比較を行ったところ、12項目全体でのエビデンスとの一致率は両国で同程度であったが、各項目ごとに検討すると、「患者ごとのう蝕リスクの評価」、「う蝕の診断時の拡大鏡の使用」、「セメント質と象牙質の辺縁にあるコンポジットレジン修復の欠損部の処置」に関しては、日本の歯科診療において改善が必要な可能性のある項目として抽出された。 2)EPG改善のためのオンライン教育介入プログラム教材の開発 EPGの改善を目的として、本年度行った調査の主要な項目の国際比較結果をフィードバックし、各項目に対する最新のエビデンスをアップデートするためのオンライン教育介入プログラム教材を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に従い、順調に研究が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、以下の内容について実施する予定である。 1)オンライン教育プログラムの実施:平成29年度の横断研究に参加した歯科医師にオンライン教育プログラムを受講してもらう。平成29年度の調査結果等を含むオンライン教材を用いてテーマごとに学習し、エビデンスをアップデートしてもらう。 2)教育効果の検証:本プログラムの教育効果を、EPG測定尺度を用いて教育前後で比較することによって検証する。 3)平成29年度に実施した横断研究の結果のまとめ:平成29年度に実施した横断研究(オンライン調査)の結果を論文公表に向けてまとめる。
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