2016 Fiscal Year Research-status Report
施設入所者の嚥下機能の維持に関する口腔機能向上プログラムの有用性の検討
Project/Area Number |
16K11867
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
福泉 隆喜 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (50275442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 摂崇 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (50759222)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歯科医療管理学 / 介護保険サービス |
Outline of Annual Research Achievements |
施設入所者に口腔機能向上プログラムを実施することで、咀嚼・嚥下機能や身体機能の維持に有効であることなどを明らかにする。これにより、施設入所者の要介護度の維持やQOLの向上を図り、施設サービスへ新規の口腔関連介護サービスの導入を目指すことである。 研究計画1年目の平成28年度には、新規の施設入所者を対象として、口腔機能及び生活機能等を調査した。具体的には、まず、口腔の課題抽出のための11項目のアセスメント項目案を設定し、各種調査項目(対象者基本属性(年齢・性別・既往歴・医療受療状況・生活習慣等)、口腔内環境(歯式・歯周ポケット検査・唾液検査等)、口腔機能(オーラルディアドコキネシス・RSST等)、全身状態(血圧、脈拍、呼吸状態、体重、握力等)、健康関連QOL(SF-8)、口腔関連QOL(GOHAI)、栄養摂取状況)について調査した。 これらの対象者基本属性、口腔内環境、口腔機能、全身状態、健康及び口腔関連QOL、栄養摂取状況に関する調査結果より、その弁別的妥当性において、GOHAIを指標として検討したところ、有意差を示したことから、アセスメント項目の該当数2項目で層別化することの妥当性が確認できた。また、GOHAIのみならず、全身のQOLのうちPCS及び口腔関連項目のうち緩衝能でも有意差が確認された。このことから、設定したアセスメント項目の2項目以上に該当した場合に、口腔及び全身のQOL並びに口腔関連項目に違いが認められる可能性が高いことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、介護療養病床の新規入院者に口腔機能向上プログラムの介入を行うことで、咀嚼・嚥下機能や身体機能等が維持できることを明らかにすることとしていた。しかし、予定していた病院での介入の実施が困難となったため、コホート調査に変更し、咀嚼・嚥下機能と身体機能の関係を明らかにすることとした。 平成28年度においては、高齢者の口腔機能の効果的なアセスメント項目を設定するための横断調査を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では、介護療養病床の新規入院者に口腔機能向上プログラムの介入を行う介入調査を行う予定であったが、予定していた病院での介入の実施が困難となったため、平成29年度は平成28年度調査実施者についてのコホート調査を実施しながら、新規入所者を対象に追加調査を実施して対象となる高齢者を確保することとする。
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Causes of Carryover |
研究実績の概要で述べたとおり、平成28年度においては、当初予定していた介入調査に代えて、横断調査を実施したため、調査経費に変動が生じ、若干の繰越額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度においては、平成28年度の調査対象者を状況の経過を観察し、コホート調査として継続調査することとする。これらに要する費用を、平成28年度繰越額及び平成29年度研究費によって支出する計画である。
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Research Products
(2 results)