2019 Fiscal Year Annual Research Report
Verification of a novel protocol of eating/swallowing functions for Down syndrome patients with risk of premature aging
Project/Area Number |
16K11870
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
水上 美樹 日本歯科大学, 生命歯学部, 医療職員 (60735695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊谷 武 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (20214744)
松山 美和 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (30253462)
田村 文誉 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (60297017)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ダウン症候群 / 摂食嚥下障害 / 咀嚼機能 / 粗大運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダウン症候群は、舌突出や丸のみを呈しやすい。摂食嚥下機能障害は、窒息や誤嚥の危険性を高める疾患である。しかし、現在ダウン症候群の摂食嚥下機能を改善するための最適期や指導内容は確立されていない。そこで、本研究では、ダウン症候群における咀嚼機能獲得を目指した指導内容を確立し、新たなプロトコールの開発を行うこととした。 これまでの研究では、研究者の勤務するクリニックに通院するダウン症候群の実態を把握することから開始した。1歳~11歳のダウン症候群83名の初診時の摂食嚥下機能診断において、咀嚼機能を獲得していない者が8割存在していた。この結果は、定型発達児に比較して多くのダウン症候群が咀嚼機能が未獲得であり、本研究の必要性を裏付ける結果であった。さらに、年齢や認知発達が一定の時期に達する必要があること、舌の側方運動を引き出すための訓練が咀嚼機能の獲得と関連する結果も得た。この他、対象児を10か月~3歳のダウン症候群89名に対して、本研究で作成した咀嚼機能と嚥下機能に注目した新たな摂食機能レベル(Lev1:咀嚼なし、嚥下不良、Lev2:咀嚼あり、嚥下不良、Lev3:咀嚼なし、嚥下良好、Lev4:咀嚼あり、嚥下良好)を作成し、従来から用いられている、摂食嚥下機能の段階分類(向井ら)との関連を検討した。結果、新たなレベルで咀嚼機能を獲得しているレベルの者が、従来の段階分類では、咀嚼機能未獲得の段階にあった。これらの事から、ダウン症候の咀嚼と嚥下に注目した新たな摂食機能レベルは、プロトコールの開発に向けての必要性を示唆するものであった。 最終年度においては、咀嚼機能未獲得の12か月から36か月のダウン症候群を対象として研究を行い、咀嚼機能の獲得に関連する項目が年齢、低出生体重、偏食、粗大運動が関連し中でも歩行の有無が最も関連が強いことが判った。以上の事よりプロトコールの基盤を得ることができた。
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Research Products
(2 results)