2017 Fiscal Year Research-status Report
医療事故調査制度への対応に向けた歯科診療関連死の実態に関する調査研究
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16K11874
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
佐藤 慶太 鶴見大学, 先制医療研究センター, 教授 (00280975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 恵子 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (30771795)
勝村 聖子 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (50410048)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歯科医療事故死 / 医療事故調査制度 / 医療事故調査委員会 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度においては、歯科医療事故死の実態を把握するうえで中心的な手段となる大規模アンケート調査を実施した。これにあたり、一般社団法人日本歯科医学会連合の協力を得て、同学会の医療事故調査委員会に所属する口腔外科、歯科麻酔科、小児歯科、臨床口腔病理に関する専門家よりなる有識者会議を編成し、同会において、平成29年度に概ねが確定していた調査項目及び調査対象並びに調査方法等について改めてブラッシュアップ作業を実施した。これにより、調査対象施設は全国の歯科臨床研修を実施する病院である262施設とし、調査対象期間は平成19年から平成28年の10年間に設定した。加えて、死亡事例(レベル5)のみならず、レベル3及びレベル4の内容も含めて項目設定し、レベル5事例との相関等の影響に関する分析につながるものとして再編した後に、留置型アンケート調査を実施した。その結果、115施設より回答があり(回収率:約44%)、レベル3からレベル5までの回答事例数として380例程度が確保できた。更に、死亡事例(レベル5)に関しては、少なくとも17例が確認された。その他、開業歯科医における医療事故の実態調査を実施している臨床歯学系学会の担当者からの聴取、捜査当局への取材、指導者として参加した日本歯科医師会主催の医療事故調査制度研修会における意見交換、医療安全に関連する諸学会等へ参加など、当該研究の遂行にあたっての知見等の確保に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までは、大規模アンケート調査の作成準備に期間を要したことから、研究の進捗がやや遅れていたが、本年度に日本歯科医学会連合の協力を得たことにより、アンケート内容等の専門性の担保が短期間で適い、更には対象施設における研究協力に関する理解を得やすくなったことなどにより、大きな回復を得たものである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、アンケート調査結果を分析中であり、近くに各学術野において発表する予定である。また、同様に、データベース化の作業を進めており、これも近いうちにホームページ等で匿名情報として提供できるようにする予定である。また、本年度の初頭には有識者会議を開催しており、その折に全国歯学系大学を対象とした歯科医療事故死に関する教授の体制等についてのアンケート調査の方向性等が概ね固まり、また、関連する調査の実施可否についても検討することになった。加えて、本年度の後半においては、歯科医療事故死や医療事故調査制度に関するシンポジウム等の開催による関係社会への周知、関係学会への参加による知見の向上等を図り、当該研究の総括に役立てる予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度の後期において着手予定であった歯科医療事故死の教授の体制等に関するアンケート調査及びデータベースの構築等において少しく遅れが出たことに伴い、残余額が生じたものである。両研究項目については、平成30年度の前半に実施ないし完了することから、これに伴い予算執行する計画である。
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