2016 Fiscal Year Research-status Report
骨粗鬆症・関節リウマチと歯周病の双方向連携による新たな医科歯科保健医療体系の確立
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16K11875
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| Research Institution | Aichi Gakuin University |
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Principal Investigator |
嶋崎 義浩 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (10291519)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 骨粗鬆症 / 関節リウマチ / 歯周疾患 / パノラマＸ線写真 / 医科歯科連携 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
近年、骨粗鬆症や関節リウマチなど整形外科疾患と口腔状態との関連が示されている。しかし、整形外科と歯科との連携は広く確立されてはいない。本研究は、歯科で撮影するパノラマX線写真の評価により骨粗鬆症ハイリスク者に整形外科の受診を促すことで、骨粗鬆症の早期発見・進行抑制を目指すことを目的とする。また、整形外科受診関節リウマチ患者の病態と、口腔状態との関連性に加えて関節リウマチ患者の口腔管理の必要性を明らかにする。さらに、定期歯科受診の無い関節リウマチ患者の口腔状態に応じた口腔ケア介入方法を検討し、口腔状態および関節リウマチ症状の改善を促すことができるような整形外科と歯科との連携の可能性を示し、双方向の連携体系の確立を目指すことが目的である。
研究初年度の実績としては、高齢者を対象とした疫学データをもとに、残存歯数と骨密度との関連についての分析を行ったところ、多くの歯を持つ高齢者は、歯を多く喪失している者に比べて骨粗鬆症の指標となる骨密度が低下している者が有意に少なく、口腔の健康状態が骨粗鬆症に関連している可能性を示す結果が得られた。歯周病と関節リウマチとの関連については、整形外科で関節リウマチ治療中患者に対して口腔診査を行ったデータを用いて関節リウマチ症状と口腔健康状態の関連について検討したところ、関節リウマチ患者は症状が重度の者ほど歯周状態が悪い結果が得られた。
当初は、１年目から健診機関でパノラマX線写真撮影を伴う歯科健診を受診する成人女性のX線所見より、パノラマX線写真による骨粗鬆症疑い者を検出するスクリーニング検査を実施し、骨粗鬆症ハイリスク者に対して整形外科の受診を促すための指標を確立するための調査を行う予定であったが、骨粗鬆症スクリーニング判定機器の準備や健診機関との調整に時間を要したために、２年目より調査を開始することになった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度は、高齢者を対象として骨密度の測定および口腔健康診査を行った疫学調査データをもとに、高齢者における歯数と骨密度との関連について検討を行った。また、関節リウマチ患者においてリウマチの症状が重い者ほど歯周状態が悪いことが示された。しかし、初年度に行う予定であった、パノラマＸ線写真画像をもとにした骨粗鬆症スクリーニング検査の実施が、スクリーニング機器の準備および外部の健診機関との調査方法や調査日程の調整の打ち合わせに時間を要したために、実際の調査、分析の開始が研究２年目からとなった。また、関節リウマチ患者の調査についても、データの蓄積や血液データの解析等を行う研究を進めていく必要があり、やや当初の計画よりも研究の進行が遅れている。
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| Strategy for Future Research Activity |
初年度に研究を行った高齢者における歯数と骨密度との関連については、できるだけ早く研究成果を纏めて学術論文として発表したいと考えている。関節リウマチ患者を対象とした調査データについても、今後もデータを蓄積して、歯周病や口腔清掃状態と関節リウマチとの関連について検討を行い、研究成果を論文として公表する予定である。また、関節リウマチ患者の採血データから関節リウマチに関連する成分の測定を行い、関節リウマチの症状、血液検査値および歯周病との関連について検討するための準備を進めていく。パノラマＸ線写真画像を解析することによる骨粗鬆症スクリーニング検査の実施については、解析に使用するソフトを入手する段取りがつき、また研究に協力してもらう健診機関でのデータ収集方法、調査実施時期等について調整を終えたことから、実際の調査に必要な機器、消耗品等を購入し、またデータ収集に協力してもらう大学院生との打ち合わせを行ったうえで、できるだけ早く調査研究に取りかかりたいと考えている。
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| Causes of Carryover |
本年度に行った高齢者の口腔健康状態と骨密度との関連についての分析は、既存の疫学調査データを用いて行っており、パノラマＸ線写真画像解析による骨粗鬆症スクリーニング検査については、調査の準備、調整を行ったが実際の調査の開始には至らなかったため、調査に要する費用を次年度に使用することとなった。また、関節リウマチ患者の調査に関しても、講座に現存する検診器具を使用して調査を行い、血液データの解析等に必要となる費用は次年度以降に使用することになったため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
パノラマＸ線写真画像解析による骨粗鬆症スクリーニング検査の実施にあたり、調査に伴う機器および消耗品等の物品の購入、データ収集の旅費、謝金、データ入力委託費等、また関節リウマチ患者のデータ収集に要する費用および血液データの解析に必要となる費用に助成金を使用する予定である。
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