2017 Fiscal Year Research-status Report
縦断研究による高齢者の唾液流量に関する回帰モデルの作成
Project/Area Number |
16K11884
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
濃野 要 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80422608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 昇 新潟大学, 医歯学系, 助教 (00397126)
伊藤 加代子 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80401735)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高齢者 / 唾液 / 口腔乾燥 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】高齢者において唾液量の減少が多く報告されている。唾液量の減少はう蝕(むし歯)や歯周病が発症・進行しやすい環境となるだけではなく、口腔乾燥といった不快感の原因となり、QOLを低下させる。そこで、本調査では地域在住高齢者を対象として唾液量減少の原因とその寄与の大きさをコホート研究にて検討することを目的としている。 【対象と方法】対象は男性172名、女性172名の計344名である。ベースラインおよび1年後に調査を行った。測定項目は唾液採取(刺激時唾液(SSF):ガム咀嚼法3分、安静時唾液(NSF):ワッテ法30秒)、血液検査、質問紙(生活習慣等)である。SSF、NSFとも1年後に25%以上の減少があった者を唾液減少者と定義した。 【結果および考察】ベースライン時におけるSSF(3分値)およびNSF(30秒値)の中央値(25%, 75%4分位)は男性で5.0 (2.9, 6.4)、0.13 (0.05, 0.26)、女性で3.30(2.00, 5.05)、0.10(0.05, 0.19)であった。刺激時唾液減少者は男性で35名、女性で43名であった。女性においてベースラインの血清アルブミン値が低値であったものの75%、HbA1cが6.5%以上であったものの67%が1年後に唾液刺激時唾液が減少しており、統計的に有意であった。男性では統計的有意に減少のある項目は認められなかった。一方で、安静時唾液減少者は男性104名、女性94名であった。減少に関連して有意な項目は認められなかった。女性における1年後の刺激唾液減少に対するオッズ比はアルブミン低値が10.5、HbA1c6.5%以上が7.0であった。以上より、高齢女性においてアルブミン値の低下とHbA1cが6.5%以上であることは、1年後の刺激唾液減少のリスクになることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高齢者における唾液量の変化に関連する因子を検討するために、地域在住高齢者に対し先行調査を行った。本来は平成29年度が本調査であったが、1年先送りとなった。しかし平成30年6月に調査を実施すべく準備は整っているため、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年6月に地域在住高齢者を対象に、会場を設定して調査を行う。 そのための準備は進んでおり、実行に支障はない。
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Causes of Carryover |
地域在住高齢者を対象に会場を設定して口腔機能・身体機能といった調査を行う予定であった。しかし、本年度は行うことができず、先行調査のみを行った。会場調査は平成30年6月に行うこととなり、そのため、調査費用について本年度分を残して次年度使用となった。
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