2017 Fiscal Year Research-status Report
低濃度フッ化物による間葉系幹細胞老化の分子機構の解明
Project/Area Number |
16K11898
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
那須 郁夫 日本大学, 松戸歯学部, 特任教授 (80112952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有川 量崇 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (50318325)
Bhawal Ujjal 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (50433339)
田口 千恵子 日本大学, 松戸歯学部, 助手(専任扱) (80434091)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 低濃度フッ化物 / 間葉系幹細胞 / フッ化物 / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、京都大学胸部疾患研究所で開発された老化促進モデルマウス(Senescence Accelerated Mouse; SAM)は、成熟後の老化速度が速く、ヒトの老齢期に高頻度に観察される老化病態と共通の病態を自然発症する実験動物である。また、SAMP6系は、若齢期の最大骨密度が低いために、加齢に伴い早期に骨粗鬆症に至りやすい老人性骨粗鬆症モデル動物である。本研究では、12週齢マウスの大腿骨から採取した骨髄細胞を、10%PBS、50ng/mL M-CSF、15ng/mL RANKLを含むα-MEM培地で7日間培養し、低濃度F添加の有無による影響を解析した。また、骨芽細胞の活性化は、分化マーカーである1型コラーゲン、Alkaline Phosphatase、Osteopontin、 Osteocalcin、Bone sialoprotein、そして、破骨細胞分化制御因子としてreceptor activator of nuclear factor-κB ligand、osteoprotegerin、macrophage colony-stimulating factorの発現をリアルタイムPCR法より評価した。破骨細胞の分化は、酒石酸抵抗性フォスファターゼ (TRAP) 染色およびPit Formation Assay法(SEM法)より解析した。また、破骨細胞活性化はウェスタンブロッティング法よりカテプシンK、MMP2、MMP9の発現、ゼラチンザイモ電気泳動よりMMP2、MMP9の活性化を評価し、低濃度フッ化物の骨芽細胞および破骨細胞における分化誘導や活性化に及ぼす影響を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、低濃度フッ化物の骨芽細胞および破骨細胞における分化誘導や活性化に及ぼす影響の検討を行うことが目標であった。マウスの大腿骨から採取した骨髄細胞を、低濃度フッ化物添加の有無による影響を解析した。骨芽細胞の活性化は、1型コラーゲン、Alkaline Phosphatase等の分化マーカーにて、また、破骨細胞分化制御因子としてmacrophage colony-stimulating factor等発現をリアルタイムPCR法より評価できた。また、破骨細胞活性化はウェスタンブロッティング法より評価し、低濃度フッ化物の骨芽細胞および破骨細胞における分化誘導や活性化に及ぼす影響を明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は低濃度フッ化物摂取の骨質に及ぼす影響の検討を行う。実験動物より得られた歯槽骨における骨質の解析は、原子吸光法、Fイオン電極法を用いたミネラル(Ca、F)の定量分析を行う。またマイクロCTによる骨形態計測学的パラメーター(骨梁幅、骨梁間距離、骨梁数、骨量)を評価する予定である。
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Research Products
(3 results)