2017 Fiscal Year Research-status Report
フレイルの評価に活用できる携帯型NIRSを用いた口腔機能アセスメント指標の開発
Project/Area Number |
16K11899
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
小松崎 明 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (60256980)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フレイル / NIRS(近赤外分光分析法) / 赤外線サーモグラフィー / サルコペニア / 介護予防 / 機能訓練 / 唾液腺マッサージ / 顎機能評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は評価系の予測モデルから測定システムの基本構成に取り組み、先行研究で対象者とした健常成人に対しての測定を継続して実施し、指標化の前提となる再現性や客観性を確認した。分析中に発生したシステムドライバ用PCの障害は、ハード(SSD)の問題であったことから、評価ソフトのアルゴリズムは適正であると判明した。これら結果から、成人期の筋機能の後退の把握や、頬部マッサージ効果の検証等に向けて一応の成果が得られた。 冷却後の体温回復過程の個人差に関しては、冷却剤の圧接の影響は無視できるレベルであることが検証でき、咀嚼筋や唾液腺の機能を間接的に反映した評価指標としての可能性を検討できた。NIRS測定深度の最適化に関しては、頬部特有の解剖学的形態の影響もあり、今年度も引き続き規格化を念頭に検討を実施したい。 唾液腺マッサージ効果の測定を目的とした測定については、5分間以上の安静条件でのレスト時間の後、30秒間の冷却負荷後に片側のみに2分間の唾液腺マッサージ(同術者が振幅1Hzで実施)タスクを実施し、両側の Oxy-Hb、 Deoxy-Hb、およびTotal-Hbの各測定点変化量を以降5分間測定しす方法とした。この手法であれば、冷却負荷の局所血流動態を反映したと推測されるOxy-Hbの低下やDeoxy-Hbの上昇、マッサージ効果を反映したと推測されるがOxy-Hbの上昇が観察でき、再現性も確認できた。 また、測定システム構築の過程で課題となっていた4ch化ソフトウェアの問題点の確認については、一定の時間小節で Oxy-Hb、Deoxy-Hbの比を分割評価する方法を考案し、本年度も引き続き検討を実施する。併せて前頭部測定ポイントの最適化や、ヘッドホン型冷却負荷機材を活用した規格測定モジュールの最終構成を検討し、得られたデータを連携研究者ら検討の上、関連学会にて成果を公表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に生じたシステムドライバを搭載したPCのSSDに不具合のため、測定および解析が約5か月間不可能となり、保管されていたデータの一部も喪失した。このため研究計画が遅延を生じ、現在もその影響が継続しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度となるため、構築した測定システムの最終評価を完了し、その有用性を公表する予定である。 また、指標化に向けての検討については、予知性の高い機能賦活評価指標としての精度評価だけでなく、短期的かつ簡易な機能訓練の効果確認指標としての利用価値についても検討したいと考えている。冷却負荷の規格化など、研究過程で付随的に生じた課題についても年度内に解決する予定である。 特に唾液腺マッサージ効果の測定指標として、本研究で実施したサーモグラフィー熱画像とNIRSを併用した方法は申請者ら独自の手法であり、その特徴などを日本口腔衛生学会など、関連学会で公表する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 前年度中にNIRS測定システムのドライバ用PCのSSDに障害が生じ、約5か月の間、測定や分析が実施不可能となり研究計画に遅れが生じたため。 (計画) 研究最終年度となるため、年度内にNIRS測定システムのハード、ソフト両面での完成に向けてアップデートを完了する予定である。4ch化後のデータを基本として測定結果の分析を進め、年度内に関係学会にて成果を公表する予定である。
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Research Products
(1 results)