2016 Fiscal Year Research-status Report
看護師の職業性ストレス緩和に長期的フェイスマッサージ介入が及ぼす効果に関する研究
Project/Area Number |
16K11914
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
大川 百合子 宮崎大学, 医学部, 准教授 (60270055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深井 喜代子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70104809)
西田 佳世 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 教授 (60325412)
坂下 恵美子 宮崎大学, 医学部, 助教 (70511195)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護技術 / フェイスマッサージ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、国内外の文献を検討し、研究対象や研究方法の絞り込みを実施した。まず、慢性的なストレスが対象者の心理状態に及ぼす影響を測定する心理尺度について検討した。職業性ストレスによる身体的・心理的・社会的状況の調査については、職業性ストレスの評価のため、「職業性ストレス簡易調査票」や「日本語版sense of coherence尺度(SOC‐13)」を用いることとした。現在、使用許可を得るため原著作権者に文書を提出中である。 対象者については、看護職の中でも施設外で活動し、心理的な仕事の負担(量)が高いと言われている訪問看護師に焦点をあてたいと考えた。ストレスの内容としては、利用者との関係性や訪問看護における実践力の不足、医師や他職種との連携の困難感、介護保険の対応などがあった。吉田ら(2013)によると、訪問看護師は職業性ストレスの得点が高い傾向いあるが、家庭での母・妻役割がSOCを高めていることもわかった。 看護師に対するストレス緩和について、Nerolieら(2006)の研究では1回/週を5週間継続したところ、尿中コルチゾールに変化は無かったが、STAIの得点は有意に減少し、心理的なストレス緩和に有効であることが分かった。Joel(1999)の研究では疼痛を持つ看護スタッフに対し、15分のマッサージを週2回を16日間の間に実施したところ、頭痛が軽減したり、リラクセーション効果がみられた。訪問看護師に対するストレス緩和については研究数が少なく、中・長期的なフェイスマッサージを実施することで、ストレス緩和さらに職業性ストレス、SOCがどのように変化するか研究することは意義があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究枠組みの修正や、尺度の許可を得るのに予定よりも時間を要してしまった。現在、生理的データ収集について、精選中である。また、被験者募集について検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者が所属する看護協会等の協力を得て,女性訪問看護師を対象に研究協力の依頼をする。同意を得られた対象者にSOC-13の質問紙調査や、職業性ストレス質問紙調査を実施し,職業性ストレスによる身体的・心理的・社会的影響について明らかにする。また、対象者の心身のストレス状況を把握後,対象者の選択基準を設定し,マッサージ群と対照群を決定する。また,フェイスマッサージ方法及び介入期間を決定する。実験の必要物品や環境の整備,プレテストの施行など,実験のシミュレーションを行う。
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Causes of Carryover |
平成28年度にプレテストまで実施する予定であったが、評価の方法を決定することができなかったため、実施できなかった。プレテストに使用する物品の費用の一部として次年度に繰り越すことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
プレテストを実施する際の物品費として使用する。
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