2017 Fiscal Year Research-status Report
看護師の職業性ストレス緩和に長期的フェイスマッサージ介入が及ぼす効果に関する研究
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16K11914
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
大川 百合子 宮崎大学, 医学部, 准教授 (60270055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深井 喜代子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70104809)
西田 佳世 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 教授 (60325412)
坂下 恵美子 宮崎大学, 医学部, 助教 (70511195)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護技術 / フェイスマッサージ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、被検者の募集及びプレテストを行った。まず、対象者に週に1回当施設に来て頂き、フェイスマッサージを実施(以下、M群とする)した。これを4回続けた。その後、4週間のウオッシュアウト期間を設け、同条件でコントロールのための安静の介入を実施した(以下、C群とする)。M群とC群の実験環境はほぼ同じであった。 プレテストの結果、バイタルサインは、血圧は収縮期血圧がフェイスマッサージ後やや上昇傾向がみられた。脈拍はフェイスマッサージ中は減少したが、終了後やや上昇傾向がみられた。C群はバイタルサインに大きな変化はなかった。 心拍変動は、フェイスマッサージ中にLF/HF(交感神経系活性)の上昇がみられた。同時にHF(副交感神経活性))の上昇も見られ、フェイスマッサージは自律神経系を刺激しているものと考える。C群では実験を通してほぼ変化がなかった。 sIgAは両群とも実験後に増加していた。M群の方が4週目の実験においてsIgA分泌の増加率が上昇していた。唾液中のコルチゾールは、M群の第1週目に実験前後で上昇したほかは、両群ともほぼ変わらずか、減少していた。唾液アミラーゼは両群とも実験後にやや減少する傾向がみられた。 心理的変化としては、両群ともVAS(visual analog scale)の得点でリラックスした状態を観察したが、M群の方は日本語版POMS2(Profile of Mood States Second Edition)において、活気の低下が少なかった。職業性ストレスについては、M群、C群ともに高いストレスは感じていなかったが、M群の方が1週目に比べて4週目に仕事に関連する心理的ストレス度に低下傾向がみられた。職務満足度については、M群は1週目と4週目で変化はなかったが、C群ではやや低下する傾向がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
被検者の募集が遅れ、十分に実験に取り組めなかった。被検者の募集方法を工夫し、早急にデータが採取できるようにする。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者が所属する看護協会等の協力を得て,女性訪問看護師を対象に研究協力の依頼をする。同意を得られた対象者に、実験群と対照群をできるだけ同じ時期にデータ採取できるように研究者間で調整をする。
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Causes of Carryover |
被検者の募集がスムーズにいかなかったこと、及び研究者の身体的な理由により、研究が一時中断した期間があったことが理由である。今年度は予定した実験を行い、学会発表等に使用したい。
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