2019 Fiscal Year Annual Research Report
Creation and Utilizing of Nursing Theory Based on "Difficulty in Telling" to Others in Chronic Illness
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16K11920
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Research Institution | Gifu College of Nursing |
Principal Investigator |
黒江 ゆり子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授(移行) (40295712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寳田 穂 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (00321133)
藤澤 まこと 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授(移行) (70336634)
田中 結華 摂南大学, 看護学部, 教授 (80236645)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 言いづらさ / クロニックイルネス / ライフストーリー / クライエント領域 / ナース・クライエント領域 / 実践領域 / 元型的な経験 / 看護理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、研究分担者及び研究協力者との会議を定期的に開催し、クライエント領域、ナース・クライエント領域、及び実践領域モデルの統合に向けて検討を続けた。また、慢性の病いにおける他者への「言いづらさ」を基盤とした実践領域モデル案の活用に関する実践者会議を開催し、実践をふまえた活発な意見交流を通し、実践領域モデル案に修正を加え、質を高めた。当該実践者会議は、慢性疾患専門看護師7名を含む看護職者と研究者7名にて開催し、1回目の実践者会議においては、実践における10のエピソードと10のダイアローグのテーマ、2回目では、9のエピソードと6つのダイアローグのテーマが抽出された。それらを通して、「言いづらさ」を踏まえた実践領域モデルには、看護の対象の諸事象に問題を発見しようとする行為が、対象の諸事象の複雑性の認知を遅らせることがあり、「深い対話」の力が重要であること、及びそれを可能にするには、自己の語りを他者に聴いてもらう体験や「誰のためなのか」を自己に問うことが不可欠であると指摘され、その視点を実践領域モデルに加えた。同時にそれは、ナース・クライエント領域における看護職の「聴きづらさ」を超越すると考えられた。 また、クライエント領域における先行体験と帰結について確認し、先行体験としての「傷ついた体験」「他者への気遣い」等が「言いづらさ」に繋がり、その帰結として「‘居場所’の喪失」「アイデンティティの揺らぎ」等が導かれ、そのような中で「‘語り合える人’との出会い」があると「言う人と言わない人に一線を引く」等が可能となり、「言いづらさが‘解ける’」あるいは「言いづらさが‘超越’される」等、先行体験と帰結との関連性を構築するとともに、これらをR.アトキンソンによる元型的な経験で解釈し、別離:新たな苦悩、行動:混乱の人間関係、帰還:意識の拡大のモチーフとして、解釈が可能になった。
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Research Products
(7 results)