2018 Fiscal Year Annual Research Report
Studies for the development of skin/mucosa-friendly disinfectant and on the conditions for their application.
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16K11924
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
池田 敬子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (60331807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 多美子 四国大学, 看護学部, 助教 (40716049)
小山 一 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (80109074)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | オクタアセチルスクロース / エンベロープウイルス / 衣服 / 口腔ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度まではアルギニンおよびその誘導体、またはN-Acetyltryptophanなどの食品由来低分子化合物にもウイルス不活化活性があることを見出してきたが、今年度は、食品成分ではないが、FDAで食品添加物として認められているオクタアセチルスクロース(SOA)にウイルス不活化作用があることを見出し報告した。エンベロープウイルスであるA型インフルエンザウイルス(IV)や単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)を10~15mMで検出限界以下に不活化した。一方、非エンベロープウイルスであるネコカリシウイルスは同じ条件下では不活化されなかった。一般にタンパク質が存在すると不活化作用は妨害を受けるがSOAは0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)存在下でもIVやHSV-1を15~25mMで検出限界以下に不活化でき、タンパク質による不活化への妨害を克服できる可能性が示唆され、解析を続けている。 また、接触感染における感染対策を念頭に、ウイルス感染力の持続に影響する環境因子を評価するため、屋内、屋外など異なる条件下で衣服面に付着したウイルスがもつ感染価の経時変化を解析した。屋内ではジャージ上に付着したウイルスは接種後40分経過時点でウイルス感染価が1/100以下まで減少したが、セーター上では60分を経過してもほとんど減少しておらず、接触面の性質によりウイルス安定性が異なり、セーター上ではジャージ上に比べウイルス不活化が遅れることを見出した。屋外では、ジャージおよびセーターともに気温が低い環境ではウイルス感染価がほとんど変化せず、感染性が維持されていた。低温がウイルスの残存に影響したと考えられ、付着した布片の生地繊維、材質の種類に加えてウイルスの安定性に影響していた。 さらに、初年度より行った口腔ケアへの応用のため種々試薬の口腔洗浄効果についてアルギニンの効果を見出しその効果をまとめ報文化した。
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Research Products
(9 results)