2016 Fiscal Year Research-status Report
合理的配慮を加味し、発達障害の診断を必要としない看護教育支援プログラム
Project/Area Number |
16K11956
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
吉兼 伸子 山口県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (30637137)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 合理的配慮 / 看護学実習困難感 / 実習指導者 / 看護教員 |
Outline of Annual Research Achievements |
「合理的配慮を加味し、発達障害の診断を必要としない看護教育支援プログラム」という研究テーマで初年度は、実習指導者に看護学実習指導における困難感の調査を行った。対象は臨地実習指導者講習会に参加した述べ81名に自由記述質問紙調査を行った。示された自由記述を、類似項目で分類した。その結果、実習指導困難状況として上がった項目は、「実習態度不良」「不適切な患者との関わり」「指導が活かされない」「情報収集の偏り」「自己判断と思い込み」「学習不足」が上がった。それぞれの項目の記載内容を、発達障害の行動傾向で分析すると「自己判断と思い込み」が最も多くみられた。 しかし、どの項目にも発達障害に類する行動傾向は示され、実習指導者は学生の行動傾向を病的と判断せず個性ととらえ、困難状況に対応してた。また、詳細な記述が少ないことは、強烈な印象に残る事例がなかったと考えられた。学生にとって看護学実習では、常に新たな目標があり、いつも初学である。つまり、初学の学生の戸惑いと思考の偏りは、実習指導者において指導想定内と考察された。 今回の調査では、「学習不足」があまり顕在化しなかった。この項目は、実習担当者より看護教員の役割ととらえられ、看護過程の思考は看護教員に委ねられているとわかった。これを受けて、看護教員の実習指導上の困難感の質的な調査の必要性が明らかとなった。実習指導者への調査が自由記述であったため、困難感の詳細が追えなかった。そのため、看護教員への困難感の調査は半構造化面接を行い、困難感の特定を図りたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
看護教員への困難感の調査は、実習指導者の調査から半構造化面接がのぞまれた。今年の2月以降に看護教員へのインタビューの依頼、所属教育機関の承諾をいただき、現在進行形である。しかし、今年度の看護師国家試験の出題傾向が変わり、その対応のため看護学校及び大学の看護学科のインタビュー予定が、大幅に延期された。
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Strategy for Future Research Activity |
約半年間、半構造化面接の実施期間は延びたが、現在インタビューを追えた面接録音記録から逐語録を作成し、分析をはじめている。今年度には。まず昨年度行った実習指導者の調査結果を公表する予定である。また、看護教員の質的調査を分析し公表するところまでは実施したい。来年次に、実習指導者及び看護教員の実習指導困難感の質的調査の結果をうけた質問紙調査を実施したいと考えている。
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Causes of Carryover |
インタビューが延期されたため、インタビュー音声の文字おこしの金額が余剰となった
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
インタビュー逐語文字おこし費用として活用する。
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