2017 Fiscal Year Research-status Report
合理的配慮を加味し、発達障害の診断を必要としない看護教育支援プログラム
Project/Area Number |
16K11956
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
吉兼 伸子 山口県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (30637137)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護学実習 / 実習指導困難感 / 合理的配慮 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年発達障害学会において、「看護学実習における指導困難感の検討」のテーマで以下を発表する。平成27年から29年の3年間、Y県内看護協会主催の実習指導者講習会の実習指導者各45名を対象に、自由記述を中心とした質問紙調査を実施した。質問項目は「あなたが実習指導時に困難を感じたり、戸惑ったことはどのようなことでしたか」であった。自由記述の内容は、質的帰納的に分析し、内容の類似性により、要約してコーディング作業を行いカテゴリ化した。 H27~29年まで各45名の指導者から135のコードが示され、さらに、7つのサブカテゴリ、3つの上位カテゴリが抽出された。以下、『』はカテゴリを示し、≪≫はサブカテゴリを表す。『看護過程の指導に困難感がある』のカテゴリには、から、≪看護過程が展開できない≫、≪指導が理解できない≫、≪自己判断と思い込み≫が示された。『実習態度が不適切』では、≪実習態度の悪さ≫と、≪行動特性≫が示された。及び『患者との関わりが不適切』が示された。 自由記述に発達障害の可能性が強く示される行動特性は、<認知症の患者がお茶を欲しがるたびに与え、1リットルの飲水をしショック状態に陥った><患者との距離が近すぎた><教員に対して乱暴な言動>であった。また、発達障害の可能性も否定できない行動特性は各カテゴリに万遍なく認められた。 看護学実習は、実習毎に目標、受け持ち患者・実習指導者・実習教員も異なるため、常に学生は新たな体験や学習を強いられる。実習指導者が感じる困難感は、新たな実習に戸惑う学生の状況と、対象学生の行動特性は酷似している推察された。このことは、両者共に通常の指導を具体的な実施するだけで、困難感の解消を示唆すると同時に、発達障害を強く示唆される行動特性を示す場合は、担当する指導者・教員で合理的配慮を検討する必要性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
看護学実習の実習指導困難感について質的な検討はできが、論文の査読修正中である。質的検討後の量的調査の質問紙項目分類、内容を検討中である。質的検討と査読修正に時間をとり、質問紙の内容精査が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度中に実習指導困難感の質問紙調査を実施する。それら、量的検討を済ませて、全体考察およびマニュアル内容の検討に移りたい。
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Causes of Carryover |
質問紙調査の印刷費及び郵送料、調査校への依頼旅費に使用予定である。 また、学会参加の旅費(2018年発達障害学会:於福山市)として使用予定である。
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