2017 Fiscal Year Research-status Report
急性期病院におけるせん妄予防管理の標準化に向けたクリニカルパスの開発及び効果検証
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16K11982
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 美亜 千葉大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (00327660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山之内 芳雄 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 社会精神保健研究部, 部長 (70340263)
藤井 千代 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 社会復帰研究部, 部長 (00513178)
藤田 伸輔 千葉大学, 予防医学センター, 教授 (20268551)
上野 秀樹 千葉大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60642048)
真原 仁 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00589830)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | せん妄 / クリニカルパス / アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、初年度に作成した、せん妄予防管理のクリニカルパスの運用精度を向上するための検討をおこなった。具体的には、現在、わが国の急性期病院で実際に用いられている、せん妄予防・対応のためのフローチャートやせん妄のリスク評価などに関する情報収集を行った。また、これらを活用することでのメリットや困難な点などについて、現場のスタッフからヒアリング調査を実施した。 その結果、メリットとして、せん妄症状の観察やせん妄の判断に関して、標準化されたアセスメント項目や臨床判断ツールを利用することにより、せん妄症状の見逃しを予防し、早期対応を図り、せん妄症状の重症化を防止できることなどがあげられた。困難な点としては、多職種でせん妄の予防・対応をしていくことが望まれるが、対応手順や各職種の役割をマニュアル化しても、記録の中でそれらの実施状況と患者の状態が一元化管理されていないと、チーム内で情報共有できず、チーム医療が機能しにくいといったことなどがあげられた。課題としては、せん妄が発症した場合に、医療安全の観点から身体拘束を行わざるをえないといったスタッフの意識を変えること、せん妄のリスク要因のアセスメント能力と予防的ケアの実施能力およびせん妄症状に対する観察力を教育・研修などを通じて向上していくことの重要性があげられた。 これらの点を踏まえ、クリニカルパスを通じて情報の一元管理を行い、多職種で患者の状態、プロセスの実施やアウトカムの達成状況に関する情報を共有し、協働しあいながらせん妄の防止・対応に努められる工夫を講じることの検討を行った。またクリニカルパスの運用において活用できる教育資料の作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、クリニカルパスの運用を開始し、データを収集する予定でいたが、パスの運用精度の向上に係る検討と調査対象施設の確保に留まり、次年度にデータ収集を開始することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
本調査の対象施設の研究協力者とデータ抽出担当者と連携をとり、当初の予定通りにデータの収集・分析が行われるよう、研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
データ収集や開発したクリニカルパスを運用するための諸経費を次年度にまわしたため、当初の予定予算の消化には至らなかった。
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