2017 Fiscal Year Research-status Report
介護保険施設における効率性の高い褥瘡管理体制の構築と評価
Project/Area Number |
16K11989
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
貝谷 敏子 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (00381327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石澤 美保子 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10458078)
福田 敬 国立保健医療科学院, その他部局等, 部長 (40272421)
中村 恵子 札幌市立大学, 看護学部, 特任教授 (70255412)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 褥瘡 / 介護保険施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,介護保険施設における効率性の高い褥瘡管理体制を検討し,その効果を検証することである.今年度具体的には以下のことを実施した.①褥瘡発生とケアの実態を調査し,褥瘡発生関連要因を検討する.②明らかになった結果を受けて必要な予防対策と教育内容について考察し,予防プロトコールを作成する.対象者は,A病院の医療療養病床である2病棟を対象とし調査日に入院中の患者を横断的に調査した.包含基準は褥瘡発生のリスクである日常生活自立度B・Cランクの患者を対象とした.また褥瘡保有者は,NPUAP分類ステージⅠ~Ⅳの褥瘡を保有するものとし,褥瘡発生の時期・再発の有無は問わないとした.除外基準は特に設けていない.調査項目としてベッドサイドでの調査内容は,予防マットレスの種類,予防のためのクッション使用の有無、褥瘡有無,皮膚の状態,好発部(踵部)の接触圧(簡易型測定器で測定),関節拘縮有無,ブレーデンスケール,褥瘡ハイリスク状態の有無,スキンケア方法(入浴、清拭、保湿剤使用有無).褥瘡の有無は,調査者2名で側臥位をとり背部と仙骨部を調査した.診療録からの情報収集は,年齢,性別,診療科名,疾患名,医療区分,在院日数褥瘡保有者のみ:PU発生場所,日時,PUの状態(DESIGN-Rスコア)分析方法は褥瘡有無を従属変数としてロジスティック回帰分析を実施.現在分析中であり,結果をもって必要な予防対策と教育内容について考察し,予防プロトコールを作成予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度より計画にあげていた「介護保険施設における褥瘡管理の実態とケアの質調査」を実施した.今回のデータをもとに,介護保険施設における褥瘡管理の問題点を具体化して、介護療養型医療施設・介護保健施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護老人福祉施設)の褥瘡管理の実態とケアの質の全国調査を実施する予定である. 褥瘡管理におけるコストのデータベースを構築し,モデルシミュレーションを行うことに関しては計画が遅れているが,すでに文献は系統的レビューを終えているため,次年度に実施し,順調に計画が遂行できる予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
アンケートによる結果を踏まえて,横断調査褥瘡管理におけるコストのデータベースを構築し,データベースを用いたモデルシミュレーションを行い,褥瘡管理体制が及ぼす経済的な影響を検討し,介護保険施設における効率性の高い褥瘡管理体制を作成する. 最終年度は,褥瘡管理プロトコールを作成し効果を検証するパイロットスタディを実施する予定である.
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Causes of Carryover |
療養型介護施設での調査にあたり,介護士や看護師への教育として在宅においてのスキンケアの専門家の勉強会を実施した.その際に講師謝金として予算が生じたために予定予算以外の支出となった.
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