2017 Fiscal Year Research-status Report
チーム医療における高度実践看護師が担う看護専門外来システムの開発に関する研究
Project/Area Number |
16K11993
|
Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
岩永 喜久子 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (40346937)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 看護専門外来 / 専門看護師 / 高度実践看護師 / チーム医療 / システム / 役割拡大 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、チーム医療の一環として専門看護師(高度実践看護師)が開設する看護専門外来の実践状況とアウトカム評価、ならびにその運用がもたらす医療への貢献について明らかにするとともに、看護専門外来のシステム化に向けた示唆を得ることである。わが国の医療は、超高齢化社会、疾病構造の複雑化や慢性化、医師不足や偏在化した環境下にあり在宅医療が推進されている。在院日数が短縮化されたため医療的処置はじめ複雑で慢性的な心身の問題をかかえながら地域で生活する人々が増加している。地域と医療機関をつなぐ場として従来の外来診療システムがある。しかしながら今日の外来診療支援のみでは、患者・家族から求められている対応が十分であるとは言い難い。そこで、医療中心の診療外来にケア中心の看護の専門性を加え、じっくりと患者・家族の問題に向き合うことができる看護専門外来システムを構築することに意義がある。看護の卓越した専門性を集積させる看護専門外来システムを体系化することで、チーム医療への発展に寄与し、さらに社会の要請に応えることができる。これは、新たな看護の役割拡大の方略としての提案である。 当該年度の研究実施計画では、国内外の有識者へのヒヤリングと、看護専門外来を担当している専門看護師ならびに受診している患者への聞き取り調査を行う計画であった。米国、英国、豪州の有識者である高度実践看護師や教育・研究者から国際学会出席を通して情報収集し意見交換を行った。看護学研究者や教育者と臨床の専門看護師が連携した看護専門外来はユニークなシステムとして捉えられていた。全国医療施設のホームページを閲覧し看護専門外来を開設している調査依頼候補予定施設を洗い出し、国内の調査に向けた準備を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究に関する国内外の文献検討を行い、看護職が診療外来と連携した看護の専門性を発揮できる看護専門外来について確認した。国外の文献では、主に高度実践看護師であるNP(Nurse Practitioner)の活動に関する内容を確認した。文献検討結果から国内外の有識者へのヒヤリング内容や面接調査内容への示唆を得ることができ今後の調査への参考とした。また、国際学会への出席により、米国、英国、豪州、中国、インドネシア、タイなどのNPや看護教育者・研究者、看護師である臨床家などの参加者から情報を取集した。 当該年度の研究実施計画は、国内外の有識者へのヒヤリング、看護専門外来を担当している専門看護師と受診している患者への面接調査である。調査が遅れた理由は、学内業務と研究エフォートとの関連から時間的調整が整わなかったことである。今後効率的に進めていく必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進として、当初計画の次年度(平成30年度)計画である看護専門外来の評価指標を完成させ、全国の看護専門外来のアウトカムの評価を行う予定である。さらに、当該年度計画であり進捗が遅れている内容を進めていく予定である。国内外有識者へのヒヤリング、全国の看護専門外来を開設している医療施設の看護専門外来担当者と患者を対象とした面接調査を実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額として当該助成金が生じた理由は、研究の進捗が遅れていることが1番の理由である。平成29年度の主な実施概要として予定した国内外の有識者へのヒヤリング、国内における看護専門外来を開設している10施設程度の外来担当の専門看護師や受診している患者への面接などが実施できなかったこと、国外の有識者への情報収集では米国と豪州への国際学会出席を通して実施したことから当初予定の支出が減じた理由である。今後遅れている有識者へのヒヤリング、国内の看護専門外来担当看護師や受診している患者へのインタビューを実施する予定であり、その旅費として翌年度分として請求した助成金と合わせた助成金で計画を実施する予定である。
|
Research Products
(3 results)