2017 Fiscal Year Research-status Report
モバイル版隔離予防策決定支援アプリケーションの開発と感染管理への効果
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16K12005
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
川上 和美 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (90638769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
操 華子 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (40209739)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 隔離予防策決定支援アプリケーション / 医療関連感染予防 / 感染管理看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、医療関連感染予防に関する問題解決や感染管理担当者の実践を支援し、患者安全と医療の質の向上、感染管理の地域連携推進を目指している。そのため、モバイル版隔離予防策決定支援アプリケーション(以下、アプリケーション)を開発することと、感染管理実践および医療関連感染防止へのアプリケーションの有効性を検証することを目的としており、1群前後比較デザインの準実験研究を進めている。 平成29年度は、研究計画の倫理審査承認を得て、研究対象者のリクルートを行った。感染防止対策加算2医療施設の感染管理担当者、もしくは資格取得後3年未満の感染管理認定看護師が所属する合計13施設より研究協力の同意が得られた。平成30年5月より1年間、ベースライン期間の感染管理実践(隔離予防策決定を迷わず実施できたか、等)と医療関連感染(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌発生率、クロストリジウム・ディフィシル発生率、アウトブレイク発生の有無)に関するデータを収集する予定であり、その準備と研究対象者への説明を行った。 また、2012年に開発したPC版隔離予防策決定支援アプリケーションをもとに、モバイル版隔離予防策決定支援アプリケーションの開発に取り組んでいる。アプリケーションのデザイン、内容の追加・見直しを進めている段階である。近年問題となっている薬剤耐性菌や麻疹など流行性ウイルス疾患に関する予防策の内容を充実させる。 平成30年度はベースライン期間のデータ収集を進める。さらにモバイル版アプリケーションを完成させ、実験期間のデータ収集の準備を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予定より遅れている理由として、研究対象者のリクルートに時間がかかった点が挙げられる。まずは感染対策地域連携ネットワークを介して感染防止対策加算2の施設を中心に依頼を進めたが、研究対象者の募集が予定通りに進まなかったため、資格取得後3年未満の感染管理認定看護師への依頼を追加することとした。13施設の協力が得られることとなったため、データ収集開始を当初の予定より遅らせることとした。 また、アプリケーションの開発について、特に内容の見直しにおいて最新エビデンスの確認が必要であり、予定より時間がかかっている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は実験前のベースラインデータ収集を進めると同時に、アプリケーションを完成させる。平成31年度からの実験期間に向け、研究対象者へアプリケーションの使用方法およびデータ収集の説明を行う予定である。データ収集終了後、ベースライン期間と実験期間のデータを比較し、アプリケーションの感染管理実践および医療関連感染防止への効果について検証を行う。 アプリケーションについては、国内でより多くの医療施設で活用できるための方法を検討する。
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Causes of Carryover |
モバイル版隔離予防策決定支援アプリケーションの開発に時間がかかっており、その開発費用が次年度に繰り越しとなったためである。 平成30年度はアプリケーション開発費用として使用予定である。また、研究対象者に対する説明のため、その旅費に使用する予定である。
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