2020 Fiscal Year Annual Research Report
Learning Program to Develop the CNS' Role of Ethical Coordination.
Project/Area Number |
16K12007
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
吉田 みつ子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (80308288)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 看護倫理 / ナラティヴ学習 / 専門看護師 / 倫理調整 / ナラティヴ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は専門看護師の倫理調整に関する実践力強化のための継続教育プログラムを開発することである。平成28(2016)年度に実施した専門看護師が取り扱う倫理調整困難事例の特徴、倫理調整に求められる役割や能力に関する面接調査、平成29(2017)年度に実施した日本のCNS取得者(がん看護・慢性疾患看護・重症救急看護)975名(417名より回答、回答率42.8%)を対象とした倫理調整に関する実践活動・教育ニーズに関する質問紙調査を実施した。これらの調査結果に加え、米国のDoctor of Nursing Practice(DNP)レベルの倫理教育カリキュラム等に関する文献検討に基づき、平成30(2018)年度にナラティヴ学習に基づく教育プログラム案を構築した。平成31/令和元年(2019)年度にプログラム案を試行し、5名の参加者に5回のセッションを実施した。令和2(2020)年度(延長1年)は最終年度であり、プログラム参加者のデータをもとに、プログラムの理論的基盤、プログラム内容、運営方法、教育効果を総合的に検討し、専門看護師の倫理調整に関する継続教育プログラムにおけるナラティヴ学習の妥当性について明らかにした。プログラムへの参加は<自分の実践や考えを安心して語り、聞くことが出来る><先輩も同じような経験をしてきたことに安堵し、悩んでいるのは自分だけではないと勇気づけられる>と自己肯定感を高めていた。さらに<先輩CNSの経験を自分に置き換えて考え、とらわれていた自分に気づく>ことが促され、前提や価値観の批判的な振り返りがなされたと示唆された。このような振り返りは、変容学習において非常に重要であり、<相手の視点に合わせる柔軟性とぶれない思いをもって、看護の質をあげることが自分に求められている役割とハッとする>という倫理調整における新たなパースペクティヴをもたらすことが示唆された。
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