2016 Fiscal Year Research-status Report
看護ケア遂行過程におけるタイムマネジメント自己評価尺度の開発
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16K12008
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Research Institution | Chubu Gakuin University |
Principal Investigator |
足立 はるゑ 中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (20298508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織田 千賀子 中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (10773525)
近藤 暁子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (70555424)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | タイムマネジメント / 看護師 / 思考要素 / 看護ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は医療機関に働く看護師の看護実践力の向上を意図して、「看護ケア遂行過程におけるタイムマネジメント自己評価尺度」を開発することである。共同研究1年目である本年度は予定どおりの活動と、新たに一調査を加えた。行った活動は次のとおりである。1)先行研究で探索したタイムマネジメントの思考要素を関連文献及び理論の検討により枠組みを再検討した。結果、経営学のマネジメントサイクル(PDCA)の活用および「時間管理の原則」「業務の組織化」「組織立てた行動」「リフレクション」の4つの概念枠組みを作成した。2)研究計画の変更(追加)として、調査対象者を増やし(A県の臨地実習指導者講習会受講生、臨床経験3年以上53名)調査用紙への記入を求める留め置き調査を実施した。研究対象者を増やした理由は、先行研究の質的研究において対象者に偏りがあり(脳神経外科看護師)、対象者数も8名と少なかったためそれを補う必要性を認識した為である。3)1)・2)の結果をもとに先行研究の枠組みを再検討した結果、新たに2カテゴリー、10サブカテゴリーが追加され、看護師が行うケア活動における幅広く多様な項目が抽出された。これらの結果から看護師が自らの役割を遂行するために患者や臨床現場の状況に応じて様々な思考をしながらタイムマネジメントを実施していることが判明した。 4)データの追加と枠組みの再検討により、「看護ケア遂行過程におけるタイムマネジメント思考要素Vr.2」を作成した。5)4)の結果から自己評価尺度の原案となる具体的な質問項目を作成した。作成にあたっては思考要素を具体的な仕事の仕方・進め方として行動や考え方が自己評価できる表現とするよう留意した。次年度の一次調査に繋がるものとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の当該年度の予定通り研究活動を遂行できている。また、追加調査をしたことで研究目的の尺度開発に必要なデータが充足でき、次年度の調査につながる貴重な資料となった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(平成29年度)の予定は次のようである。 1)作成した暫定的な尺度『看護ケア遂行過程におけるタイムマネジメント自己評価尺度」の内容を経験5年以上の病棟勤務スタッフ看護師5名に内容の現実性、妥当性及び表現の明確さの確認を得る。その後、 2)プレテストとして一次質問紙調査を実施する。対象者は300床以上の協力が得られる地域中核病院の病棟で働く看護師300名とする得られたデータの統計処理を行い因子構造の検討等を経て尺度作成にとって有用な項目を選定する。 3)選定した項目を暫定的な自己評価尺度として完成させ、次年度の本調査に繋ぐ。
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Causes of Carryover |
1年目の予定であったデータ入力用PCが未購入であるため(電子黒板が予想外に高額であったため)ノートPC1台及び付属品を購入する。更に、今年度予定の一次質問紙調査及び学会発表関連等の経費が必要である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ノートパソコン1台及び付属品購入。 日本看護学教育学会発表に伴う旅費、宿泊費、学会参加費2名分(会場:沖縄)、一次質問紙調査関連費、共同研究者(東京)との検討、打ち合わせ費として使用する予定である。
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