2017 Fiscal Year Research-status Report
看護師長の変革的リーダーシップに基づくケア推進リーダーシップ教育プログラムの開発
Project/Area Number |
16K12013
|
Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
高谷 嘉枝 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (60304119)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 幸枝 千里金蘭大学, 看護学部, 准教授 (10633480) [Withdrawn]
森田 なつ子 福山平成大学, 看護学部, 教授 (90615923) [Withdrawn]
高橋 永子 福山平成大学, 看護学部, 教授 (90403899) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 変革的リーダーシップ / 看護師長 / 教育プログラム / 看護管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護師長の変革的リーダーシップに基づくケア推進リーダーシップ教育プログラムの開発を目的としている。 平成27年度まで取り組んだ看護師長の変革的リーダーシップ尺度は、先行文献、半構造的面接をもとに変革的リーダーシップに関する項目から尺度を作成した。その結果、変革的リーダーシップの構成要素は、「変革への推進」「働きやすい場づくり」「目標に向けた看護の達成」が抽出された。 平成29年度は、前年度に続き、変革的リーダーシップに関する国内外の文献検索を改めて行い、日本の看護職の変革に対する捉え方、日本の実践現場の組織文化などを踏まえ変革的リーダーシップの検討を行った。その後、看護師長・主任・スタッフナースの計3名に対して変革的リーダーシップに関する半構造的面接を行った。平成29年度の調査では、実践現場の変革的リーダーシップに重要であることが示唆されている「日本の臨床現場で培われた師長の高い学習意欲」や「多くの変化や試練を乗り越えてきた経験」「師長の看護師としての一貫した自信・誇り」の内容が新たに見いだされた。この他に「相談できる雰囲気」「部下に対する承認」「師長の明確なビジョン」「部下への配慮」「師長の肯定的な自己観に基づく創意工夫のある行動」の内容が抽出された。前回の調査では、看護師長以上の職位を除く経験年数5年以上の看護職を対象に調査を行ったが、今後は、経験年数1年目からを対象に含み今後、さらなる尺度の洗練の必要があると考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
その理由は、平成29年度まで取り組んでいた変革的リーダーシップに関する国内外の文献検索、日本の看護職の変革に対する捉え方、日本の実践現場の組織文化などの検討に時間を要したためである。また平成29年度については、教育についてのエフォートが当初の予想を超えて高く、研究にかかる配分率が低かったためである。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.「看護師長の変革的リーダーシップ」尺度の洗練:これまでに作成した尺度をもとに洗練のためにデータを追加する。平成29年度に行った半構造的面接を継続して看護師10名程度を対象に面接後、質的記述的分析をくわえ質問項目の検討を行う。その後看護師400名程度を対象に質問紙調査後、因子分析、信頼係数(chronbach, s α)などの算出を行い信頼性及び妥当性(構成概念妥当性など)を検討し、洗練した尺度を提示する。2.看護師長の変革的リーダーシップと組織コミットメント、職務満足、看護師のリーダーシップ役割の関連性の検討:対象:関東、近畿、中国、四国、九州地方で研究への協力が得られた医療施設において、同意の得られた看護師2000名程度とする。方法:得られた回答は、項目分析、因子分析、信頼係数(chronbach, s α)の算出を行い信頼性及び妥当性(構成概念妥当性など)を検討する。1)変革的リーダーシップと組織コミットメント、職務満足、看護師のリーダーシップ役割の各尺度間の相関:相関分析を用いる。2)変革的リーダーシップと組織コミットメント、職務満足、看護師のリーダーシップ役割の各尺度の構成要素間の影響の確認:重回帰分析を用いる。3.看護師長の変革的リーダーシップと組織コミットメント、職務満足、看護師のリーダーシップ役割との関連性とその全体構造の検討:方法:共分散構造分析を行い最終的な構造をみる。4.看護師長の変革的リーダーシップに基づくケア推進リーダーシップ教育プログラム原案の作成:看護管理に携わっている看護管理者や研究者から専門的なアドバイスを受け原案を作成する。5.エキスパートパネルによる具体的なプログラム開発。6.看護師長及び看護師によるプログラムの内容妥当性の検討。7.「看護師長の変革的リーダーシップに基づくケア推進リーダーシップ教育プログラム」の提示。
|
Causes of Carryover |
理由:「看護師長の変革的リーダーシップ」尺度の洗練のための調査及び看護師長の変革的リーダーシップと組織コミットメント、職務満足、看護師のリーダーシップ役割の関連性とその全体構造の検討の段階までいたらなかったため未使用額が生じた。 使用計画:平成30年度は、「看護師長の変革的リーダーシップ」尺度のさらなる洗練、及び看護師長の変革的リーダーシップと組織コミットメント、職務満足、看護師のリーダーシップ役割の関連性とその全体構造の検討に加え、「看護師長の変革的リーダーシップに基づくケア推進リーダーシップ教育プログラム」案の作成、内容妥当性の検討の調査、教育プログラムの提示に使用する。
|
Research Products
(1 results)