2017 Fiscal Year Research-status Report
筋萎縮性側索硬化症患者の排泄機能維持を促す排泄ケア統合プログラムの開発
Project/Area Number |
16K12022
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
谷口 珠実 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (10258981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 優季 公益財団法人東京都医学総合研究所, 運動・感覚システム研究分野, プロジェクトリーダー (00455396)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 排泄ケアプログラム / 骨盤底筋訓練 / 排泄用具 / 筋萎縮性側索硬化症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、筋萎縮性側索硬化症(以下ALS)患者に対する、排泄ケアプログラムとして、その内容に骨盤底筋訓練、膀胱訓練、排尿自立用具の情報を組み込んだ統合プログラムを開発し評価することを目的としている。 これまでに、患者の排泄の現状を身体機能と排泄質問調査用紙を用いて把握し、面接を行い患者の排泄に対する希望や要望を調査した。患者からは、膀胱尿道カテーテル留置を用いることなく、排泄のトラブルを起こしたくないと考えていることや、排泄機能を維持し続けたいという希望があることが示されている。このような状況で骨盤底筋訓練を継続的に6ヶ月間行なうことで、症例により移動時の尿失禁の改善や排便困難の改善などが示されて、患者は積極的に機能維持に取り組みたいという意欲を示している。 しかし、排泄機能を維持するための看護ケアをALS患者に行なっている臨床現場からの報告は少ないため、その原因を探るために、ケア側の立場である排泄ケアにかかわる看護職と、皮膚排泄ケアの認定看護師から聴き取り調査を行ない、ALS患者の排泄ケアの実態とケア者が感じた問題と課題を把握しているところである。しかし、これまでのおむつや膀胱尿道カテーテル留置を行なうケア方法に対する認識は、考え方や価値観により多様であり、考え方の根拠も乏しいことが示されつつある。インタビューのデータが集積できたのち、分析を行なう予定である。 患者と家族、医療・ケアの専門職というそれぞれの立場から、排泄ケアに対する要望と課題を明らかにした上で、排泄に対する要望の相違とその原因も検討し、排泄ケアプログラムの構成を再検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の対象となるALS患者は難病指定疾患であり、対象者数が限られたことと、進行性の疾患であるため全身状態の悪化等により、研究対象者のリクルートが思うように進まなかった。 看護職に対する聴き取り調査では、おむつ使用や膀胱カテーテルの留置で排泄ケアを行なうことがルーチン化しており、ケアに対する疑問は少なく、問題や課題の気づきが表現されにくいと考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の排泄ケア統合プログラムの骨格が臨床現場で使用可能であるか、研究者が介入し、参加観察とインタビューを加えて、在宅療養者とその家族、訪問看護師、皮膚排泄ケア認定看護師の協力を得て、3事例程度、個別に評価を行なう予定である。
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Causes of Carryover |
初年度に購入予定の超音波機器の機種を購入予定機種から、新発売となった機種の販売を待ち本年度の購入となった。研究の進行が少し遅れたため、調査費用や学会への結果報告が遅れ、次年度に繰り越すこととなる。
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Research Products
(1 results)