2018 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病患者の血糖コントロールを支援するための健康感を用いたケアモデルの構築
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16K12039
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Research Institution | Japanese Red Cross Hokkaido college of Nursing |
Principal Investigator |
中野 実代子 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (80364173)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病看護 / 健康感 / 血糖コントロール |
Outline of Annual Research Achievements |
2 型糖尿病患者を対象とした先行研究から、病気や治療に関する理解不足が患者の療養行動を困難にするとの指摘がある(Thoolen et al,2008)。糖尿病患者が教育入院を終えても血糖値が改善されない原因には,食事や運動の自己管理行動が改善されていないことが多いが,糖尿病となる前の生活に戻ることは危険が伴うため,新たな生活の編み直しを図る必要が求められる.どのように編み直すかは,その人自らの健康に対する認識や健康の評価が重要である。このような理由から、血糖コントロールを行ううえで糖尿病をもつ人の健康や病気に対する主観的な感覚である健康感を捉えることが重要であると考えた。 糖尿病看護に関する国内外の介入研究について文献検討の結果,得られた知見を慢性疾患看護の研究者および専門看護師,糖尿病看護認定看護師による知識と経験から吟味した内容をもとに、糖尿病患者の健康感(元気感と病い感)を捉える尺度値と血糖コントロールの状況(血糖値,HbA1cなど)を考慮した看護介入プロトコールの作成に取り組んだ。 具体的には、外来通院中で自記式質問紙に回答できる40 歳以上の糖尿病患者100 名を調査対象として、測定用具である元気感と病い感、デモグラフィックシート(血糖値,HbA1c,糖尿病以外の診断名,入院の有無,病型,治療内容,合併症の有無,身長,体重,年齢,性別,家族背景,職業,療養指導の状況)を用いて調査を実施した。 調査方法は、調査開始から1 年間,対象者が外来を受診するたびに元気感および病い感の尺度値,血糖コントロールの状況(血糖値,HbA1c など)およびプロトコールに基づく看護介入の実施状況を調査した。 分析結果および看護介入の実施状況からケアモデル(案)について、研究共協力者と研究に関する打ち合わせの時間をもち検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
・補助事業期間が博士課程の開設から完成年度に至る期間との重複が挙げられる。所属大学が、5大学による共同教育課程の責任校であったため、研究代表者も補助事業期間を教務委員長および科目担当教員として想定外の時間を費やした。 ・補助事業期間の間、教員の欠員が続き、高度実践看護師教育課程を1人で担い8名の修了生を輩出したが、これにも多くの時間を費やした。
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Strategy for Future Research Activity |
所属機関の変更に伴い、教員の充足など環境が整っていることから研究に取り組む時間が確保できる。また、所属機関近郊に研究協力者が居住していることから、これまで以上に当該研究に関する時間を確保することが可能である。 上記のような理由により、今年度内に研究が遂行できるよう、研究協力者と年間計画を立てたうえで当該研究に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
補助事業期間が博士課程の開設から完成年度に至る期間との重複が挙げられる。所属大学が、5大学による共同教育課程の責任校であったため、研究代表者も補助事業期間を教務委員長および科目担当教員として想定外の時間を費やした。また、補助事業期間の間、教員の欠員が続き、高度実践看護師教育課程を1人で担い8名の修了生を輩出したが、これにも多くの時間を費やした。これらの理由により、当初予定していた研究の打ち合わせの時間が充分に持てず、塔体研究を遂行することが困難であった。 2019年度は、学術集会および研修会への参加にて新たな知見を得たうえで、慢性疾患看護(糖尿病)の専門看護師もしくは糖尿病看護認定看護師と実践のスペシャリストである研究協力者と介入方法について吟味し、ケアモデルの構築に取り組む。また、これまでの看護介研究成果の公表として、前年度取り組むことができなかった国際糖尿病学会などの国際学会および国内での発表を行う予定である。
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