2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of support system for self-management by diabetic patients in times of major disaster
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16K12049
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
大山 真貴子 共立女子大学, 看護学部, 准教授 (10369431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩永 誠 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (40203393)
貝瀬 友子 関東学院大学, 看護学部, 教授 (30410202) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 糖尿病患者 / 被災 / 糖尿病セルフケア / 抑制要因 / 動機づけ / セルフコントロール / 自尊心 / 自己効力感 |
Outline of Annual Research Achievements |
H30年度に実施した研究は2つである。被災によってセルフケアや病気の程度は低下するのか,また被災による抑制要因がセルフケアに影響するのか検討した。 (1) 被災患者と非被災患者との比較:対象者は,熊本地震に被災した2型糖尿病患者186名,非被災患者899名とした。結果は,被災患者の自尊心とHbA1c値(NGSP)に差は認められなかった。しかし心理指標である自己効力感,セルフコントロール,動機づけは,被災患者で有意に高かった。被災患者は地震という災害を経験したことで自己効力感が高まり,セルフコントロールや動機づけが高まったと考えられる。しかし実際には,セルフケアは悪化していることから被災の影響を受けていることがわかった。このことから被災患者と非被災患者ではセルフケアに影響する要因が異なると考えられる。 (2) 被災による抑制要因がセルフケアに及ぼす影響過程の検討:対象者は1)で用いた被災患者とした。影響過程を検討するため共分散構造分析を行った。被災による抑制要因では食事の悪化が動機づけを抑制し,セルフケアを悪化させていた。抑制要因間では,食事の悪化が将来の懸念を促進し,無力感が食事の悪化を促進していることがわかった。このように被災環境は,食事の悪化が治療への動機づけを低下させセルフケア悪化を促していた。被災していない患者では,自尊心や自己効力感を高めることでセルフケアが促進させていたことから,被災によりセルフケアの影響過程が異なると言える。 災害時の糖尿病患者へのセルフケアは,動機づけを促進させるセルフケアマネジメントへのサポートシステムが必要である。つまり被災者を対象としたサポートシステム開発においては,これまでの自尊心や自己効力感への介入とは異なる新たな視点からのシステム構築が必要である。
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