2018 Fiscal Year Research-status Report
直腸がん術後3大機能障害に対する多職種協働ケアモデルの開発
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16K12057
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
堀越 政孝 群馬パース大学, 保健科学部, 准教授 (80451722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二渡 玉江 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (00143206)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 直腸がん / セルフケア / QOL / 対処 / 機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度研究計画では、3大機能障害を抱える直腸がん術後患者に対する介入モデルを用いて、介入群と対照群に対し調査を行い、統計的分析による比較検討をすることで、多職種共同ケアモデルを完成させる予定であった。しかし、前年度からの進捗の遅れにより、実施に結びつなかなった。 そこで、介入モデルの作成に向けて、直腸がん術後男性患者が行っている機能障害への対処内容を抽出した。その結果、抽出された対処内容として、39の説明概念と10の概念が抽出された。概念は、≪Soilingの受け方の工夫≫≪Soiling・尿漏れが起こる前の排泄≫≪Soilingを改善させる運動≫≪Soilingのための行動制限≫≪肛門の荒れの予防≫≪いざという時のための準備≫≪薬物療法による症状抑制≫≪排便調整のための食生活の工夫≫≪気持ちを整える工夫≫≪生活習慣の改善≫であった。直腸がん術後男性患者は、機能障害自体への対処だけでなく、それに付随する症状への対処や予防的対処行動も行っていたことがわかった。また、生理機能の障害は自尊心を傷つけるため、対処を続けるにはメンタルヘルスマネジメントが必要であり、それを行えている患者もいた。これらの対処を強化していくためには患者個々に合った対処を検討していく必要がある。患者のレディネスを充分に把握した上での退院後の生活を想定した支援を提供することが重要となる。例えば、Soilingの受け方として、様々な体型に対応するために、フィット感や日常の行動などを考慮して、パットの形状やサイズを検討することができる。また、食生活の工夫として、生理解剖的な視点だけでなく、栄養学を元に1週間の食事プログラムなどを提案することも可能である。よって、退院後の生活状況やサポート、職場復帰など様々な背景をベースとした系統的かつ複合的な看護支援を検討する必要が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
これまでに得られたデータをもとに、直腸がん術後患者の自己対処に関する内容の分析ができている。これらの結果を考慮した上でフィールド調査を実施し、介入モデルの具体化に向けて、検討を進めていく。 また、所属機関において、新カリキュラムおよび旧カリキュラムが平行して展開されていることもあり、新たな講義科目の準備や他教員の教育研究指導に時間を要しており、調査が進まない状況となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、調査フィールドとの調整を行っている。実施可能となったら、早急に3大機能障害の発生頻度・時期・程度とQOLや自尊感情の調査を実施する。その結果を元に介入モデル案の作成をしていく。なお、事前調査結果を再度確認し、本調査における機能障害への対処方法などの質問項目に活用できるかも検討していく。
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Causes of Carryover |
調査の実施が進んでおらず、結果の公表に至っていないため、繰越が生じている。 次年度は、調査で生じる謝金や研究結果の公表に使用していく。
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