2018 Fiscal Year Research-status Report
転倒予防のための臨床判断力育成に係る省察モデル・省察ガイドラインの開発
Project/Area Number |
16K12059
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
加藤 真由美 金沢大学, 保健学系, 教授 (20293350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正源寺 美穂 金沢大学, 保健学系, 助教 (80345636)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 転倒予防 / 臨床判断 / 省察 / モデル / ガイドライン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、転倒予防のための臨床判断力育成に係る省察モデル・省察ガイドラインを開発することである。本研究は、転倒予防に関した知識と経験知をスパイラル的に実践レベルにつなぐ能力基盤の育成のみならず、チーム連携力を含めた転倒予防の省察モデルの開発を目指している。スパイラルとは、連鎖的に能力が開発されることを意味する。2018年度は、看護師の転倒・転落予防のための臨床判断および臨床判断力向上につながる省察とは何かについて質的分析から成果が得られ、その成果ならびに国内外の文献検討から仮説モデルを開発した。本研究は、金沢大学医学倫理審査委員会から承認を得て実施している(承認番号:758)。仮説モデルにおける省察の新人や経験の浅い看護師への育成では、【臨床判断資源蓄えの土壌づくりの支援】<看護師としての感受性刺激で学ぶ動機を引き出す支援><自分で考える力を引き出す支援><転倒リスクの知識集積支援>、【転倒者・転倒状況をイメージできる支援】<代理体験から資源をつくり出す支援><内に在る資源を増幅させる支援><オープンクエスチョンで資源を引き出す支援><いつもと違うに敏感になる資源獲得の支援>、【資源(ベテラン看護師の技・能力)を蓄える支援】<他者資源の取り込みとその統合支援><経験を増幅させたつなぎ合わせの支援>が概念として挙がった。一方、【省察土壌づくりへの限界感】<人のもともとの特性><重大な転倒事故への限界感><カンファレスでの検討に納得した対策が出ない><他者資源の一方的提示への拒絶>が影響する概念として挙がった。全国調査における無作為化抽出から開発した仮説モデルを検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
質的データの分析の妥当性を得るまでに時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更はない。 看護師を対象に、全国調査における無作為化抽出から開発した仮説モデルを検証する。また、今までの研究成果と開発したモデルを基にガイドラインを作成する。
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Causes of Carryover |
理由:膨大な量の質的データの分析の妥当性を得るまでに時間を要したため。 計画:質的データの分析の結果と文献検討から仮説モデルを開発した。2019年度は、その仮説モデルを検証し、そのモデルと文献検討から省察ガイドラインを開発する。検証では、100床以上の一般病院から、サンプルサイズ測定ソフト(Power and Sample size calculation version 3.1.2)から算出した対象病院の看護師3,000人を対象に調査票を郵送する。配布先は、乱数表を用いて無作為化抽出する。回収も郵送法であり、回収目標数は1,000部である。データは統計的に解析する。Web siteにおいて研究成果を臨床看護師に公開する。
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Research Products
(7 results)