2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K12062
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
坂口 美和 (荒木美和) 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (90340348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 裕子 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (10351149)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 男性遺族 / 家族 / 強み / KJ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまで話を伺った方の探検ネットの作成を進めること、新たに一人の方のインタビューをさせていただき、家族の強みの探検ネットの作成を行った。探検ネットは、何度も逐語を読み強みの抽出をしていく作業であるが、その中で、どのように家族をつくってきたのか、家族で妻の病気に向き合ってきたのか、妻亡き後、どのように家族を再構築してきたのかの語りの中に、強みが多く含まれる。研究者間で各人の強みを話し合い、作成した探検ネットを用いて研究協力者と確認をしていく。妻は亡くなって少なくとも1年は過ぎている中で、家族の強みは、妻の生前からの流れの中で語られる。また、これまで行ってきた家族のイベントや慣習は大切に続けており、妻の死に伴う新たな行いを日常の中に組み入れていく。妻は亡くなってはいるが、妻の夢を見たり、家族の日常のやり方の中に自然なかたちで存在し続けており、そのことも強みだと考えられた。妻の小物や衣服を片付けられない思いがあり、それにはもう少し時間が必要だと感じていることを語る人もいたが、そのように自分の感じに気づき、対処していることも強みと捉えることができた。宗教という枠がなくても、目に見えない妻との対話は様々な形で行われている。 妻の死別後も家族は発達をしていく。子どもの進学や就職、結婚と家族メンバーが家を離れる時期と妻の死別が重なることもあるが、子どもの自立に対して理解を示し、課題に柔軟に対応しており、それらも強みだと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力者の精神的な回復への配慮から死別後1年以上経つ方にお願いをしており、インタビュー時期が当初の予定通りにはいかず、インタビュー期間が長くなっている。 研究分担者は昨年、身内の介護そして看取りがあり、研究に従事する時間が取り辛かった。
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Strategy for Future Research Activity |
KJ法を用いてデータの統合を行う上で統合の妥当性を得るために、KJ法研究者にサポートを得ながら、統合を進めていく。
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Causes of Carryover |
計画の遂行が遅れた分、今年度に必要な経費を計上している。 今年度、確認のインタビュー時の謝金、交通費、インタビュー内容の逐語への起こす費用、データの統合を行うにあたり研究サポート費用、共同研究者と会議を開くための交通費を予定している。
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