2018 Fiscal Year Research-status Report
終末期がん患者のスピリチュアルペインに向き合う看護師の臨床推論と介入モデルの特徴
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16K12064
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田中 愛子 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10285447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 みゆき 純真学園大学, 看護学科, 教授 (30547972)
永田 千鶴 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50299666)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん / スピリチュアルケア / 看護師 / 臨床推論 / 質問紙 / CVI |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、看護師のスピリチュアルペインの臨床推論の実態を把握するための質問紙の作成を行った。 方法は以下の2つのステップで行った。まずはじめに、終末期がん看護を行っている看護師24名(一般病棟8名、緩和ケア病棟8名、訪問看護8名)を対象に、終末期がん患者のスピリチュアルペインに関する臨床推論の実際についてインタビューした結果(昨年度)を、28の質問項目にまとめた。次にこの質問項目を、がん看護のスペシャリスト(がん看護専門看護師、がん看護専門看護師を教育する機関の教員、がん看護関連の認定看護師)を対象に、「非常に適切である(4)」から「不適切である(1)」の4段階で評価してもらい、その上で自由記載のコメントを求めた。得られた回答はcontent validity index ( Lynn, 1986)を用いて分析し、内容妥当性を検討した。調査は、山口大学大学院医学系研究科保健学専攻医学系研究倫理審査委員会(管理番号552-1)の承認を得て行った。 結果として6人から回答を得た。専門家6人の内容妥当性を確立するための推奨水準は0.83であり、その水準に照らして評価すると、「患者さんの知りたいことに対しては、嘘をつかずに伝えている」、「患者さんのその人らしい死の準備のあり方を考えている」、「患者さんの『気がかりや本当の思い』について何もできなかったことへの後悔を感じたことがある」の3つの項目は除外された。尺度全体の内容妥当性指標は、28項目中25項目であることから0.89であった。また、自由記載のコメントから、実践能力を向上させる研修参加に関する項目を追加し、内容の類似した項目は整理し、最終的に25項目の質問紙を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
質問紙調査をするにあたり、質問紙の内容の検討および、その内容の妥当性を検討するためにCVI分析を行った。がん看護のスペシャリストを対象に質問紙調査を行うために、本学倫理委員会の承認を得る必要があったが、倫理委員会の承認および調査に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
5月中に質問紙調査の変更について倫理審査委員会に承認を得る。承認後から全国調査を実施する。 調査対象は、一般病棟の看護師、緩和ケア病棟の看護師、訪問看護師である。調査は、同意を得ながら実施するため、9月までを予定している。その後、データ入力をした後、共分散構造分析を用いて、看護師のスピリチュアルペインの臨床推論介入モデルを作成する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度の計画は、全国調査の実施であったが、実際には質問項目の妥当性を検証する予備調査を行うまでとなり、全国調査には至らなかった。そのため、調査に必要な郵便代や印刷代、データ入力に支払われる謝金等の支出を行わなかったために、次年度使用額が生じた。 次年度は最終年度であり、9月までに全国調査を行い、その後データ入力を行うため、調査に必要な経費とデータ入力の謝金が必要となる。同時にこれまでの成果を報告するために海外出張を含めた旅費等が必要となり、当初の計画どおり全額執行の予定である。
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