2019 Fiscal Year Annual Research Report
A mixed-methods approach to clinical reasoning of nurses regarding the spiritual pain of terminal cancer patients
Project/Area Number |
16K12064
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田中 愛子 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10285447)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 みゆき 純真学園大学, 看護学科, 教授 (30547972)
永田 千鶴 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50299666)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | スピリチュアルペイン / 臨床推論 / 一般病棟 / 緩和ケア病棟 / 訪問看護ステーション / 共分散構造分析 / 気がかりや本当の思い / アンケート調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、がん終末期看護に携わる看護師は、表出されない患者の「気がかりや本当の思い」をどのように臨床推論しているのか、その実態を明らかにし、モデル化することを目的とした。 方法は混合研究法探究的デザインを用いた。一般病棟、緩和ケア病棟、訪問看護ステーションの看護師24人を対象に面接しデータ分析した結果を, content validity indexを用いて分析し、尺度を厳選した。最終的に25項目の尺度を作成した。今年度は、その尺度を用いて全国の一般病棟、緩和ケア病棟、訪問看護ステーション看護師を対象に質問紙調査を行った。4575人に質問紙を配布し、1946人(42.5%)から回収を得た。その内、尺度に欠損値のない1864件のデータを分析対象として記述統計と共分散構造分析を行った。 結果として以下のことがわかった。25の尺度項目を一般病棟、緩和ケア病棟、訪問看護ステーションの3群間比較の結果、25項目中23項目において、看護活動の場の違いによって有意差が認められた。中でも「身体の変化を見逃さない」「心理的変化を見逃さない」「日常会話の中から『気がかりや本当の思い』を聞く」「生きてこられた人生を知る」「患者さんと家族の死の受け止め方を知る」の5項は訪問看護が最も高かった。反対に、「患者さんの『気がかりや本当の思い』を何とかしたいという思いがある」「患者と家族に介入し、家族関係を調整する」の2項目は、一般病棟、緩和ケア病棟、訪問看護ステーションにおいて違いは認められなかった。共分散構造分析の結果、「基本的ケア因子」は「臨床推論因子」に関連し、「知識とコミュニケーション因子」はその過程に寄与していた。多母集団同時分析結果から、一般病棟、緩和ケア病棟、訪問看護ステーションのモデルに違いはなかった。以上の結果から、今回見出されたモデルは、看護活動の3領域に利用できることが示唆された。
|