2016 Fiscal Year Research-status Report
放射線療法中の乳がん患者へのPILテストを手がかりとした看護介入の活用可能性
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16K12070
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
岩城 直子 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (60468220)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 放射線療法 / 乳がん患者 / PILテスト / 看護介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
外来で放射線療法を受けるがん患者に対する精神心理的援助として、Purpose in Life Test(以下、「PILテスト」とする)を用いた看護介入プログラムを考え、介入を試みた(岩城直子ら、2015)。その結果、乳がん患者では、QOL心理/精神得点において、開始時より終了後、3 ヵ月後に改善がみられ、PILテストを用いた看護介入の効果が示唆された。これらの結果から、PILテストを手がかりとした看護介入は、外来で放射線療法を受けるがん患者に対する精神心理的苦痛に対するケアとなりうると考えられた。その一方で、症例数の少なさから、乳がん患者に対する有効性について更なる検討が必要であること、放射線治療部門で看護師がPILテストを手がかりとした援助を容易にするために、質問内容の検討やどのような方法で行うことが適切かを検討していく必要性が課題としてあげられた。本研究では、外来で放射線療法中の乳がん患者に焦点をあて、PILテストを手がかりとした看護介入の乳がん患者に対する有効性の検証と看護師が精神心理的苦痛の軽減へのケアとして、PILテストを手がかりとした看護介入の活用可能性について検討することを目的とした。今年度は、調査の実施にあたり、大学の倫理審査委員会で承認を得た後、調査施設の倫理審査を受け、2月に倫理審査委員会の承認を得た。施設の倫理委員会の結果を受け、介入群の調査から開始し、3月末日で対象者は1名である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画のスケジュールでは、平成28年度は「フィールドの確定と手続き」を目標として取り組んだ。本研究では、研究者が介入する場面に看護師が同席し、介入方法について看護師と研究者が協同して改善策を考えていくことを予定している。そのため、放射線部門に看護師が配属されていること、または、それに等しい環境であることが条件である。そのため、放射線治療部門を持ち、これまでに本学の研究フィールドとして受け入れの実績のある施設へ本学倫理委員会の倫理申請にて承認を得た後、調査を依頼した。その際に、調査施設の倫理審査を申請し、承認を得ることで了解が得られた。施設の倫理審査に申請し(9月)、2月に承認された。また、後日、放射線治療部門の看護師にPILテストを手がかりとした看護介入を実施してもらう準備として、プログラムについての看護師の理解を得るためPILテストの基礎知識を理解してもらう必要があり、研修会(11月)に参加してもらった。調査の実施は2月~研究参加者(外来で放射線療法中の乳がん患者)を募り、同意が得られた1名に対して調査を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
介入群の研究参加者の募集を9月まで行い、その後は対照群の患者の募集を行なう予定である。研究参加者の同意が得られにくい状況であるが、対照群の募集期間が終了した後に期間を延長して、再度、介入群の研究参加者を募集することを予定している。
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Causes of Carryover |
調査施設において、今年度末より研究を始めているが、研究対象者が1名であり、分析に関するスーパーバイズを受ける人数に達していなかったことより、謝金が不要であったこと、今年度は、国際学会への参加を見送ったことにより、当初の使用予定額を下回ったことにより、次年度への繰越額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査結果の分析、論文の作成に当たっての最新の知識・情報収集のためのがん看護の関連学会(日本がん看護学会学術集会、日本緩和医療学会学術集会など)への参加、分析のための研修会(ロゴセラピーゼミナール)の参加が必要であり、参加費、旅費として使用する。 次年度の秋より、対照群の調査を開始する予定(目標数20人)であり、謝品を購入、看護師へのインタビュー協力に対する謝品を購入する必要がある。研究協力者である放射線治療部門の看護師が、介入者になることの準備としてロゴセラピーゼミナールへの参加を依頼しており、その費用を負担する必要がある。
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