2016 Fiscal Year Research-status Report
乳がん患者の生命予後に影響するオーダーメイドのウォーキングプログラムの開発と普及
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16K12072
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
玉井 なおみ 名桜大学, 健康科学部, 准教授 (80326511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神里 みどり 沖縄県立看護大学, 保健看護学研究科, 教授 (80345909)
西田 涼子 名桜大学, 健康科学部, 助教 (40557295)
野崎 希元 名桜大学, 健康科学部, 助手 (60733441)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 乳がん / 運動 / 生命予後 / オーダーメイド |
Outline of Annual Research Achievements |
1)医学中央雑誌とPubMedなどを活用して、国内外の乳がんサバイバーに対して実施されている運動プログラムに関する文献を検討した。うち25件(2,737例)を対象文献として、研究目的、研究デザイン、運動プログラム、アウトカムについて分析した。結果、「運動プログラムの評価」や「副作用の緩和」を目的として実態調査(4件)、介入研究(21件)がなされていた。運動プログラムは有酸素運動とレジスタンス運動などを組み合わせた運動が52.4%、支援期間は4ヶ月以上の長期支援が61.9%と多く、支援方法はグループ支援が57.1%と多かった。乳がんサバイバーは運動支援に関心があり、化学療法などの治療やがん関連の症状が運動の障壁になっていた。乳がんサバイバーは運動プログラムに参加することで「副作用の緩和」や「QOL向上」などの効果を得ていた。文献検討した成果は学術誌に発表した。 2)米国がん看護学会(ONS)のWeb研修を受講し最新の知識を得て、リーフレット作成の基礎資料とした。一部は市民公開講座で説明し、昨年度に続き医療者やがんサバイバーを対象にがんに対する運動の予防効果や運動支援のニーズ調査を実施した。 3)昨年度実施したがんに対する運動の予防効果や運動支援のニーズ調査の結果をまとめ、学術学会で発表した。結果として、がんに対する運動の予防効果の認識は、2~4割であり、がんサバイバーの運動支援を全員が必要と回答した。運動支援の希望場所として、在宅と施設が約7割、在宅は2割であった。運動支援の方法として、単独の支援方法より、情報提供や直接的支援(個別指導など)、間接的支援(Webの活用など)を組み合わせた支援方法を希望する者が多かった。今後、運動のがん予防効果の啓蒙活動を行うとともに、がん体験者が治療や体調に合わせながら実施できるオーダーメイドの運動支援プログラムの開発が重要であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
米国スポーツ医学会(ACMS)が主催する看護師を対象としたがん患者の運動トレーナーワークショップは時期が合わず参加できなかった。教育媒体や成功体験事例集に関するリーフレットやDVDの作成については資料を集め検討している段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
「がんと運動」に関するリテラシー調査の実施 1) がん患者の運動支援に関わる医療従事者(看護師、理学療法士、医師)を対象に、がんと運動の予防効果の知識の有無、運動支援の有無などについて質問紙調査を実施する。 2) 乳がんサバイバーを対象に、がんに対する運動の予防効果の知識の有無、希望する運動支援の方法(個別・集団・電話など)、運動支援に求めることなどについて質問紙調査を実施する。 3) 米国スポーツ医学会(ACMS)が主催する看護師を対象としたがん患者の運動トレーナーワークショップに参加する。 4) 前年度に引き続き、最新のエビデンスから教育媒体と成功事例集を追加する。
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Causes of Carryover |
予定していた海外研修の期間が限られており、時期があわず予算執行ができなかった。平成29年度に繰り越して執行予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定していた2名の海外研修に参加できず、予算執行が計画的にできなかった。 昨年度の計画を今年度、早急に遂行するとともに今年度の研究計画を練り直し、適切な研究の遂行を図る。
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