2017 Fiscal Year Research-status Report
家族基盤に基づくコペアレンティングを促す妊娠期介入プログラムの開発と検証
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16K12089
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 康香 東北大学, 医学系研究科, 助教 (10332941)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護学 / 妊娠期 / 親になる / 夫婦 / coparenting |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は開発した介入プログラムを行い、研究参加時、妊娠後期(36週)、出産後1か月、出産後3か月のフォローアップのデータ収集を行った。最終的に、分析対象は介入群15組、対照群8組の夫婦であり、この2群間に属性情報における有意差はなかった。 介入の効果が高かった群を高効果群、低かった群を低効果群とした(夫は高効果群7名、低効果群7名、妻は高効果群7名、低効果群8名)。産後1か月と産後3か月のコペアレンティング促進による効果を明らかにするため、時間×2群の交互作用の有無と、主効果(要因)の1つである高効果/低効果の2群については、夫において、時間×2群の交互作用は認められなかったが、主効果の高効果/低効果の2群については、日本語版コペアレンティング関係性尺度のネガティブな下位尺度である阻害(p=.026)、子どもの前でのもめ事(p=.034)の得点で有意差が認められた。この2つの下位尺度得点は両方とも、産後1か月から産後3か月にかけて高効果群の方が低効果群より低い得点を示していた。 妻においては、交互作用は認められなかったが、主効果の高効果/低効果の2群については、合計得点で有意差が認められた(p=.048)。この合計得点では、産後1か月から産後3か月にかけて高効果群の方が低効果群より高い得点を示していた。また、もう1つの主効果である産後1か月-産後3か月という時間については、CRS-J下位尺度のサポート得点で有意差が認められ(p=.030)、産後1か月より産後3か月での得点が低くなっていた。低効果群の特徴より、夫婦のコミュニケーションや夫婦の親密性を維持できるようなプログラムの必要性が示唆された。これらを踏まえ、プログラムの改善点を検討するとともに、他の要因との関連、コペアレンティングのモデル検証を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プログラムの実施を終了し、フォローアップ分析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はプログラムの改善点を検討するとともに、他の要因との関連、コペアレンティングのモデル検証を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
海外から学位論文や書籍を取り寄せているため、年度内に購入できなかった。また、本年度は調査実施が主体となり、成果発表があまりできなかったため、来年度以降、英語論文校正、論文投稿などに使用予定である。また妊娠期のプログラムと合わせ産褥期のプログラムを検討するための研究活動に使用予定である。
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Research Products
(5 results)